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自動販売機に背を向けて、小さな少年が二人立っています。
ジュースを買うでもないらしい。
紺色のジャージには袖と足に1本の白線模様が入ってる。キョーツケをしたら指先までがまっすぐ一直線です。
ほほう・・・・
夕方の茜色が彼らの横顔を照らしているから、買い物袋を下げ歩いてきた私にでも、だんだんと二人の表情が見えてきましたよ。

 

モジモジモジ・・・・
「お前、ちゃんとやれよ」
片方の男の子がヒジでとなりの子のツいているよ。
「やってるよ」
ふたりとも口を少しとんがらせ、視線はあくまで遠くを見てる。

 

「きたぞ、きたぞ」
こっちをチラチラ、ヒジをチョンチョン、人差し指で鼻の下をカリカリ。
動かなそうに見えるけど、必ずどこか動いてる。
彼らは10秒もじっとしていられないお年頃のようだもね。

 

ははーん・・・
そこを通る人、通る人に、彼らは勇気を出してパフォーマンスをしているのです。
だんだん近づいて、その距離は3m。
ほら、ピン!となった。

 

意地悪なおばさんは、彼らの前まで来たときにスピードを落とす。
それから顔を見て、ニヤニヤしてみせる。
どうしようかなー、ここで立ち止まろうかなー。
一歩二歩三歩・・・
は〜通りすぎちゃった。
途端に後ろから、ワキャワキャと声が聞こえる。
友達と夕方まで外で遊べる春は、それでなくても楽しいもね。
おもしかったね。
今度、またやってね。

 

 

コブシ




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娘婿さんが病室に持って来てくれたのはハーゲンダッツのアイスクリーム。
そのフタを開けると、「ああ〜〜これハーゲンハート!!」って長女が叫びました。
いきなりなに!

 

あ、そうか、ウチじゃあいつも100円ちょっとのアイスクリームだもね。
お祝いだから、お婿さん、ふんぱつしちゃったんだね。
ハーゲンハート

 

「コレ、今話題なんだよ」
ハーゲンダッツが?特別の味でもなさそうだよバニラ味。
「コレさ、ハートになっているっしょ」

 

アイスクリームのフタを開けたとき、中身との間に空間ができる。
そのすき間がハートの形になっていれば幸せになれるっていうんで、今、話題になっているんですと。
はあ・・・なるほど。
ハートに見えるっちゃあ見えるね。
っていうか、こういうのって、今さらかい?
ま、それはともかく、幸せの小さな一粒が味わえたようで、それはそれで嬉しいね。

 

その形にも色々な前が付いているらしく、とっても奇麗なハートだと『クリアハート』と言って、出現率がたった0,2%なんですと。
その他にも、なんとなーくハートに見える『スマイルハート』や片方のふくらみがカップのふちに流れてしまってる『浮気なハート』などなど、その形で色々な占いもできるらしい。

 

「ねえ、これスマイルハートじゃない?しかもこれ、口もあって笑ってる!きゃあ〜」
なーるほど・・・見える!笑ってる、ぜったい笑ってるわ!120%笑ってる!!
赤ちゃんが生まれたから、ハーゲンダッツも笑ってくれたのかもね。
皆様にも幸せのおすそワケ。

幸せのハーゲンハート探しのサイトはこちらで >>

 


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雪の消えた畑は湿っていて、地面を踏むと、じわっと沈む。
どこから飛んできたのか、お菓子のビニール袋が枯れ枝にヘバリついてなかなか手強い。
ほんとにもう・・・・火バサミの扱いが雑になっちゃうわ。

 

畑に、ずっと伏せてあるセトものの鉢は、婆ちゃんが元気なか頃からそこにあるものです。
あれ?何か見えるぞ・・

畑の花

黒い鉢のおしりの穴から見えるのは花??
よっこいしょ・・・と・・・
鉢は、私たちが投げた雪の重みに耐えたせいか、地面に近いところが割れていました。
持ち上げてみると、なんとまあ紫色した花が咲いてる。

雪解け 畑の花

 

この場所は、冬のあいだドカドカと雪を投げていたところです。
畑では、やっと草が生えてきたところ。
けれどこの花は、鉢のおかげで雪につぶされずにすんだんだね。
雪山に閉じ込められたことで0度以下になる事がなかったはずだし、雪が消えたあとは黒い針が太陽の光を集めて暖めてくれたはず。
花にとっての優しい環境が、一足早く花を咲かせたのかもしれないです。

 

雪解け 畑の花

 

今までまったく気付かなかった。
あんたもしかして、去年も鉢の中で咲いてたの?

 

花は、きっと思っただろうね。
やれやれ。
あれれ?
久しぶりのご対面と思ったら、こっちを覗き込んだのは、鉢をかぶせてくれた婆ちゃんじゃない。
シワは似てるけど。

雪解け 畑の花


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大きな病院になるほど、患者さんの抱えている病気やケガはさまざまですね。
私も、婆ちゃんや旦那さんの入院や手術で、何度もこの大きな廊下を往復しました。
旦那さんが心筋梗塞の時は、救急の廊下の長椅子でひとり、夜中を過ごした事もあったもね。

 

この日、エレベータを一緒に待っていたのは、40代とおぼしき男性の患者さんでした。
それから、小さな女の子と、2つくらいの男の子を抱えたお爺さん。
エレベーターは、なかなか降りてこないけど、みんな静かに待っています。
まもなくドアがサーっと開きました。

 

私が先に入り、次に男性が点滴のスタンドを握って「そしたらな」と、お爺さんに声をかけました。
家族なんだね。
男性が一歩エレベーターに入ろうとしたとき
「お父しゃん、お父しゃん!」
女の子が男性の足にしがみついて泣き出しちゃった。

 

おお~、なんとけなげ!
それでなくても可愛いのに、『お父しゃん』という言葉が、昭和生まれの私のこの胸めがけ、時速162キロの直球で命中。
指がとっさに『開く』ボタンをムギュ~っと押して閉じようとするドアを阻止しちゃったもね。
お父しゃんは、「わかったわかった、もう少ししたら帰るから」と女の子の頭をなでるんだけど、そんなもんじゃ、しがみついた小さな腕は離れない。
ウウ~~ウウ~~と潤ませた瞳で お父しゃんを見上げるもんで、お爺ちゃんは「ほらほら、お父さんが行けないだろう」と言って、彼女の肩をポンポンと叩きました。
それから女の子を引き寄せると、先にエレベーターに乗っている私たちを気遣って、小さく会釈をしました。

 

いいの?いいの? もうドア、閉めちゃうよ。
『閉』ボタンをピ!
ああ・・・・・
まるで両方から幕が引かれていくように、視界はだんだん細く長くなり、ついにはピタっと消えてしまいました。

・  ・  ・

”3階デ ゴザイマス”
お父しゃんは、点滴のスタンドを握って降りて行きました。

 

小さな劇場の第一幕が引かれたような気がしました。
お父しゃん、早く元気になるといいね。
第二幕が見られないのがちょっと残念。
きっとハッピーエンドで終わるに違いないね。

 

 


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朝、布団をあげると、壁の隅っこに白い紙切れのようなものが落ちています。
なんだ??
顔を近づけてみると、足がある、ゲゲ、カメムシ!
ザワザワ〜〜!
このあいだのハエといい、このカメムシといい、ウチをなんだと思っているんだ。

 

カメムシはひっくり返った状態で、白いお腹を向けています。
Z型した足は天を仰いだままピクリとも動きません。
なんだコイツ、死んでんの?

 

新聞紙の上に乗せようと、チラシでチョイチョイっと押してみる。
あら、なかなか動かないわ。
チョイチョイ・・・・・チョイチョイ・・・・・・チョイチョイ
すると足がワヤワヤっと動いた。
ひえ!生きてるっしょ!
しつこいチョイチョイ攻撃に耐えきれず、ついに足を動かしてしまったのかもしれない。

 

とにかくコイツには新聞につかまってもらおう。
ほーれほーれ・・・新聞紙を近づけると、ワヤワヤと動かした足で新聞紙にしがみついたよ。
このままそっと窓までもって行って・・・・・・・
と思ったら落下、ポタッ・・・
おお〜〜どこだどこだ・・・・・

 

これじゃいったいどっちが賢いのかわからないね。
キョロキョロ探している間に、ヤツは少し離れた所を必死(?)で歩いていたのだった。
再び新聞紙にそーっと乗せられ、そーっと移動し、そーっと窓を開けて、ベシベシベシ!!!
おーほっほっほ、やっぱしさ、人間の方が少し賢いのよ。

 

 


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