北海道・札幌発・だべさ通信5

北海道の名付け親の松浦武四郎は『北海道』はイヤだった

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昔は蝦夷(えぞ)と呼ばれていた北海道。
平成30年(2018年)は、『北海道』という名前がついてからちょうど150年になるそうです。
その名付け親とも言うべき人が、幕末の探検家 &幕末の志士『松浦武四郎』です。
先日、北海道博物館の方から『松浦武四郎』の話しを聞く機会がありました。
覚えている事だけでも、今のうちに書いておく事にします。

 

 

 

武四郎は放浪好き

 

北海道150年は、武四郎の生誕200年です。
『松浦武四郎』が生まれた所は三重県。(文化15年生まれ(1818年))
家の前の通りは、伊勢神宮に行く街道に面していたので、いつも旅人を見ながら育ちました。
そのせいかどかわかりませんが、武四郎は根っからの旅人だったようで、17歳から家出をして日本各地を放浪していたそうです。

 

 

個人的に3度も北海道に来た

 

大病を患って一度は出家したものの、26歳のとき、ロシアが蝦夷地にやってくるかもしれないという事を知って、居ても立ってもいられなくなり、調査の為に蝦夷地に向かいました。
話によると、武四郎は全部で6回北海道の調査にやってきたのですが、前半の3回の調査はなんと個人的に来ていたっていうから驚き!
ここで思うのは、どーやって行ったの?って事ですよね。

 

 

当時の北海道は、未開の地とは言っても、すでに先人『 最上 徳内(もがみ とくない)1785年』という人が千島、樺太あたりまで行っているし、伊能忠敬さんは1800年に北海道南岸を測量してつくった地図のデータを作っている。
その弟子の間宮 林蔵(まみや りんぞう)さんは、樺太(サハリン)は島である事を証明して、世界で唯一、間宮海峡という日本人の名前がつきました。
それに、この頃にはすでに和人はけっこう住んでいて、松前藩はアイヌの人達と鮭や毛皮などの交易を行なっていました。

 

 

なので個人的3度の探検は、商人の手代などとして連れて行ってもらったんですって。
その後は、アイヌの人達に案内してもらったりして調査に歩いたとか。
すんごい情熱ですね。

 

 

 

小柄なのに健脚

 

武四郎は小柄で、背はなんと140センチ台。
なのに一日で距離60~80キロも歩いたそうです。

 

 

好物は炒り豆、これが武四郎のエネルギー源だったのかもしれませんね。
あと、マガタマが好きだったそうですよ。
道南、道北、さらには道東まで、3回の探検が終わる頃には、アイヌの人達との日常会話もできるようになりました。

 

 

 

情報量の多さ

 

さて、3度の探検を終えた武四郎は、その調査の内容を細かくまとめ幕府に献上。
山や川の名前、風景を描いた絵の描写はハンパじゃございません。
さらには植物、動物、アイヌの人たちの暮らしや民話にいたるまでの、ものすごい情報量を資料にまとめました。

 

 

その精密さ絵心に幕府は驚いちゃって、これからも頼む!って事になり、それから3回、蝦夷の調査に行く事になります。
武四郎のすごい所はこの、密な『情報の収集力』と『アイヌの人たちとのかかわり方』にあったと言われています。
アイヌの人達からの信頼が厚かったのでしょうね。

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北海道の名前の意味

 

武四郎は、松前藩がアイヌの人に対する接し方に強く意見をします。
これはね、他の本などでも色々聞くけど、和人は ”水戸黄門で言うところの悪代官と悪徳商人、お前も悪よのうウッシッシ・・・・”
みたいな感じで、そりゃそりゃ不平等で差別的だったそうです。

 

 

武四郎は、蝦夷地の新しい名前の候補を幾つか考えたそうですが、中でもイチオシは『北加伊道』(ほっかいどう)。
アイヌの人達が自分たちの事を『カイ(この地で生まれた)』と呼んでいたからです。
でも、結局読み方は同じだけれど『北海道』になっちゃった。

 

 

いくら意見をしてもも聞いてはくれない幕府に、武四郎は、もうイヤになっちゃったんべね。
仕事を止めてしまいました。
武四郎にとって北海道は、アイヌの人達と共に生きる大地だったんだね。

アイヌのムックリ            <写真は阿寒の川湯温泉にてアイヌの楽器 ムックリを鳴らす女性>

 

アイヌ文化交流センター >>

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2 Comments

  1. t22t

    北海道の謂われ、とてもうれしく読ませていただきました 有難うございます
    「カイ」からでしたのですね

    松浦武四郎 江戸時代にもこの様な差別意識のない人も居られてのですね
    誇りに思います

    午前中から牡丹雪交じりの霙となってます 今夜は初積雪となるかも

    札幌は厳しい寒波になっているとの事ですが、心身お大切に

    Reply
  2. ぽぷら (Post author)

    t22tさんへ

    松浦武四郎は、この時代、世間から変わり者と思われていたそうです。
    現代だったらあたりまえの事でも時代によって良い事悪い事が変わるのですね。
    こちらはだんだん風が強くなり、今は吹雪いています。
    今週はかなり冷え込むとか、体が暖まる献立を考えています。

    Reply

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