北海道・札幌発・だべさ通信5

自分を捨てれば舞台にもたてる

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色々ある文化サークルには、年に1度の発表会があるそうで、流れのまま、私は手話サークルの皆さんと舞台に立つ事になりました。
間もなく始まる『津軽海峡冬景色』のパフォーマンス。
小中学校を卒業以来、大勢の面前に出るなど考えもしなかったし、したくもなかったのに、なしてか昨日まで練習している自分がいます。

 

 

その内容はまず、ナレーションではじまる。
『ジャジヤジャジャ~ンと曲のイントロが始まったら、昭和の恋に破れた女性が、寒さをこらえながら一人寂しそうに登場する。
それから、ほっかむりをして大きな荷物を背負った行商のおばさんたちが舞台に現れ、続いて、青函連絡船に乗るための乗客たち(私も)が登場し、寒さをこらえながら集まる。
そして、歌が始まると同時に『手話パフォーマンスを始める』というものです。
メンバーの殆どが私と同世代、多分、身内以外は来ないであろう発表会です。

 

 

昭和の女性の格好をするのは得意だもんね。
タンスの肥やしになっていたスカーフは、この日のためにあったようなもの。
婆ちゃんの着ていたコートを借りて、風呂敷包みを持てば、ほら、もういきなり昭和の女。
なんだか馴染んでるでないかい。こんなオバさん、いっぱいいたっけ。

 

 

行商役は、大きな段ボール箱を2つも背負っています。
風呂敷を胸もとでぎゅっと縛り、ちょっとツバをつくってかぶるほっかむりは、なんの違和感もありません。
『こんな大きな風呂敷、よくありましたね』と言ったら
「ああ、これ、布団縛ってた風呂敷よ」
おお!さすが!どおりで、しっかりした丈夫そうな風呂敷です。
大きなストールを『マチコ巻き』にした乗客役もハマってるね。

 

 

さて、いよいよ本番です。

ジャジヤジャジャ~ン・・・・イントロが始まりました。
下手で控えていた ”恋に破れた女” が寂しそうに登場。
次、行商のおばさん・・・・・行商のおばさん・・・・おばさん??
行商のおばさんが、背負った荷物につっかえてる!
私を含め、着膨れした何人もが下手で控えていたため、行商のおばさんの大きな荷物が通路をはばみ、前に進めなくなっていたのでいた。

 

 

おお!並ぶ順番のミス!
そうしているうちにも、イントロは進み、もう歌が始まります。
行商のおばさんは、なんとかポン!と飛び出して、そのあとを私たちが追っかける。

 

♩ 上野発の夜行列車 降りた時から 青森駅は雪の中 ♩
いきなり飛び出した昭和の女たちは、並ぶ余裕もなく、すでに手を動かしながらバラバラに登場。

 

♩ 北へ帰る人の群れは 誰も無口で 海鳴りだけを聞いている ♩
切ない無口な歌だから、『登場するの失敗しちゃったね!』とか、そんな事は言ってはいけない。
みんな、寂しそうな表情で海鳴りを聞く。

 

♩ 私もひとり 連絡船に乗り こごえそうなカモメ見つめ泣いていました ♩
マジックで書かれた灯台の絵の方を向き、そこに、カモメがいるかのような雰囲気で悲しそうに、全員で見つめる。
なお、灯台の絵をつり下げるのに使っていたのは、我が事務所で写真の撮影時に使用しているスタンドだ。
こんな所で役にたっちゃった!

 

♩ ああ~ 津軽海峡 冬景色~ ♩
下から雪の降る空を見上げる・・・・・

 

 

続いて2番。

♩ ごらんあれが竜飛岬 北のはずれと 見知らぬ人が指をさす♩
♩ 息で曇る窓のガラス 拭いてみたけど 遥かにかすみ 見えるだけ ♩
♩ さよならあなた 私は帰ります ♩

さようならと小さく手を振り、うつむいた顔で、思いを振り切るように北海道の方向を強く見つめる。
今頃になって気付いたんだけど、青函連絡船に乗って帰るって事は、主人公の女性は北海道の人だったんだね。

 

♩風の音が胸をゆする 泣けとばかりに ああ 津軽海峡冬景色♩
悲しい女心を表現してから指で雪を降らせる・・・・・

おわり、礼・・・・
ご覧頂き、ありがとうございました。

自分を捨てると、なしてかわからないけど、ふっきれるもんだ。

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