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花が咲き始めて、お尻のふわふわしたハチも飛び始めましたね。
花から花へ、大きな体で飛んでいるのはオオマルハナバチです。
急に出会ったらびっくりしちゃうけどね。
昨年の植物観察会でセイヨウオオマルハナバチというハチが「特定外来生物」という事を知りました。
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ここからは、聞いたお話を元にお話しますね。
スーパーで売られている甘いトマト。
トマトの実が出来るのには花の受粉が必要ですね。
ハチがやってくれるといけれど、トマトの花は蜜を作らないので、なかなかハチが来てくれない!つまり、ハチにとっては人気のない花だったんですって!
それで農家では、人の手で受粉させるか薬品を使うなどしていたので、すごく手間がかかりました。
そこに輸入されるようになったのがセイヨウオオマルハナバチ。
彼らは、蜜を作らない花でも来てくれるので、農家は大助かり。
それで、甘くて品質のよいトマトがどんどんできるようになり、消費者の私たちも大喜び、めでたしめでたしでした。
ところが、中にはハウスから逃げ出すハチもでてきました。
ハチだもの、花粉しかないトマトのハウスよりも、蜜がいっぱいある花がいいにき決まってる。
彼らはそこでいきなり勢力を伸ばしていったのです。
日本にも、何種類のもハチがいるけど、ハチと花は昔から、夫々の仲良しが決まっているそうです。
例えば北海道にいるエゾオオマルハナバチはストローが長いので、エンゴサクなどの長い花と仲良し。
その地域で暮らすハチと花は、それぞれの関係を持ちながら共存していたのです。
ところが、美味しい蜜の味を知っちゃったセイヨウオオマルハナバチにはハチの世界の仁義なんて通用しません。
花から花へどんどん行っちゃう。
本当は長いスローを持っているエゾオオマルハナバチしか蜜の吸えない長い花も、横から短いストローをブスっと刺して穴を開けるという反則ワザで蜜を取っちゃうのです。
花は花粉も運んで欲しいのに、花の中に入らずに蜜だけを取られちゃったら、花粉は運んでくれないって事。
これでは受粉されなくなる可能性がでてきました。
このままでは、大切な在来種のハチも花も危うい・・・
北海道では、セイヨウオオマルハナバチを駆除するために『セイヨウオオマルハナバチバスターズ』http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ks/skn/alien/seiyo/basutazu.htmを募集しているくらいです。
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見分け方は、セイヨウオオマルハナバチのお尻は白くて、エゾオオマルハナバチのお尻は茶色。
さて、このハチはどっちか・・・・
おお〜!お尻が白い!
これはセイヨウオオマルハナバチに違いないべさ!!
ここにもいました。
さて、こちらのハチは・・・
おお??
茶色い!この子はエゾオオマルハナバチですね!
このお尻のはじけあんばいは、まったくもってエゾオオマルハナバチ。
今のトマトがどれも甘くて高品質なのは、私たち消費者が求めるから。
ところがその代償が、こんな形で自分たちの環境にふりかかっているなんて。
最近では、セイヨウオオマルハナバチとエゾオオマルハナバチのカップルも誕生し、見分けの付かないオオマルハナバチが、『セイヨウオオマルハナバチバスターズ』の網の目を逃れているようです。
「特定外来生物」はこれから更なる変貌をとげ、花の蜜だけに満足いかなくなったマルハナバチの突然変異が起こり、コーヒーにシロップ入れようとしている人間に突進してくるかもしれませんぞ。
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