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駅に向かって歩いていたら、私の横を通ったのは、同じ手話サークルの西山さんでした。
お互い、顔を見合わせ、おお!
西山さんは、私と同年代くらいの男性で、ろう者です。
サークルでは積極的に手話で話すことはしないけど、もの静かで、おだやかな存在です。
いきなり会っちゃっても、私の手話は会話なんて出来るレベルじゃございません。
通訳なしでは会話は難しいに決まってる。
どうしよう・・・・
お、ほほほほ・・・・・ここはまず笑顔。
西山さんも、手話でシュッ!(こんにちは)
ボーっとしていた私の脳みそは、きなり瀬戸内海の渦潮に放り込まれたみたいに混乱しちゃった。
間がもてないので、またもや お、ほほほほ・・・・・。何を話したらいいんだろう。
あ、あの (手話で) ”あなたの・・・お宅は・・・どちらですか?”
これは初級の最初に習った手話で、このくらいしか思いつかなかった。
西山さん・・・シュシュ!(西区ですよ)
そうか、西区か・・・
・・・・・・・・・
続かない・・・・この次はどうすればいいんだ・・・・
” じゃあ、ここまでは・・・車・・・ですか?”
渦に かまかされながら(かき混ぜられながら)知ってる手話にしがみつく。
西山さんはニコニコしながら・・・シュシュ!(いえいえ、JRですよ)
そうですか・・・・
・・・・・・・・・
答えが早すぎる!
その先が進まないじゃないか。
かと言って、長い文章を言われてもわからないし。
手話ができないもどかしさで、ついに渦潮の中にクルクルと沈没か・・・・
ああ~もう手話ができないんじゃ、しゃーない。
「西山さん、歩くの早いですね、足、私より長〜いもね」
ついに手話の領域をはみだして、歩きながら足をホっと上げたり、歩くかっこうをスタスタっとしてみたり、身振り手振りで自分の足の短さと、西山さんの足の長さを比べて見せました。
「ほらね、私、こんだけなのに、西山さんの足、こーんなに長い」
どこまでが手話でどこまでがそうじゃないのか、もうわからない。
理解してくれたのかな。西山さんは、ニコニコしているだけでした。
そのうち、駅までやってきました。
さようなら・・・
ああ、もうちょっと冷静ならば、スムーズに会話できたかもしれないのに。
想定外の事が起きてしまうと、頭が真っ白になってしまう、土壇場に弱い私であった。
今になって考えてみると、よそから見た人は、随分とヘンな動きをしているおばちゃんに見えたかもしれないです。
今度、手稲の周辺で、誰かにヘンな動きをしているおばちゃんがいたら、それは私かもしれません。
本人はまじめにやっているつもりなので、もし見かけても、勘弁しておくんなせい。
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