北海道・札幌発・だべさ通信5

江差の『姥神大神宮渡御祭』は婆ちゃんを祀った祭り

JR北海道が、道南の江差線のうち、木古内 ー 江差の間(42,1キロ)を廃止する事になりました。
お客さんの数の減少や経費などを考えると、やむを得ない事なんでしょうね。

でも、江差という所は北海道ではとても古くから栄えた所と聞いています。
明治維新のずっとまえから、沢山の人が住んでいました。
そんな江差には、今も残る婆ちゃん伝説が残っています。

我が家にある古い本に書かれている内容をご紹介します。

 

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昔々、ここに住む人々は、寒さと霧で五穀が育たず、餓死する者が耐えませんでした。
ある時、津花という浜に ”折居(おりえ)”という婆ちゃんが住むようになりました。
なんと、このあ婆ちゃんは天変地異をよくあてる予言者だったので、村人達は婆ちゃんを、とても慕っていました。

 

ある日の事、鴎島(かもめ島)方向から一筋の光が、婆さんの家を照らすので、

婆ちゃんが光の方向に歩いていくと、岩の上に、知らない爺ちゃんがいるじゃないですか。
爺ちゃんが言いました。
「婆さん、この瓶に入った白い水をやっから海にまきな。そうすればニシンという魚の群来(くき)がくる。これで村人を救いなさい。したらね(ではさいなら)」爺ちゃんは白い水の入った瓶を婆さんに渡し、(年寄りなのに)あっという間に消えてしまいました。
その爺ちゃんはもしかしたら、神様だったのかもしれないですね。
”群来(くき)”というのは、春に海岸に寄ってきて産卵するニシンの白子が、あたりの海の色を白くする現象で、私は2月に小樽へ昔へ向かう汽車(列車)から見た事がありますが、海岸からほどない所の1部分が、まるで温泉の素を入れたかのように白く濁っていました。

さて、婆ちゃんは、さっそくその事を村人に話すと、その白い水を海にまきました。
するとどうでしょう。とたんに海は沸き立ち、ニシンの群れがどんどん押し寄せてくるじゃないですか!

 

人々は、こうして豊になりました。でもその後、婆ちゃんの姿は見えなくなってしまいました。

「おりえ婆ちゃんはもしや、神様の使いだったんでないかい!?」
「そうだそうだ、そうだったんだべさ」ありがたやありがたや・・・

 

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こうして始まったのが、『江差姥神大神宮祭』です。
ニシンで賑わう江差の様子は、内地(本州)の人をも驚かすほどで、その豊かさは
『江差の春は江戸にもない』とい言われるほどの賑わいだったそうです。

姥神大神宮には、今でも、伝説の婆ちゃんの絵が飾られているはずです。

 

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ちょうど今日、8月9日から、『江差姥神大神宮祭』が始まったそうです。
爺ちゃん(神?)、いじけるんでないよ。

現在、江差の町中心部は、『いにしえ街道』として整備されています。

08/06/29撮影

 

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