婆ちゃん(夫の母)の妹、” 富丘のおばちゃん” がやってきました。
婆ちゃん達は岩手県生まれの7人姉妹で、婆ちゃんと富丘のおばちゃんだけが北海道に嫁いできました。
それだも、2年前に姉(婆ちゃん)を亡くしたおばちゃんはやっぱり寂しそうです。
おばちゃんは、仏壇の婆ちゃんの写真に手を合わせて、ちょっぴり泣き声で「姉さんきたよ〜」と言ってから、は〜〜とため息を一つつきました。
どっこいしょっと立ち上がりソファに座ると、「” ばっけ ” 食べたか?」と言聞いてきた。
” ばっけ ” とは、岩手の方ではフキノトウのことで、おばちゃんにとっては春を告げる故郷の味。
私たちは先日天ぷらにして食べたばかりだったので、『このあいだ食べたよ』と言うと、「何!、もう食べたのか!ありゃあ〜」と羨ましそうです。
おばちゃんは、また一つ大きなため息をしてから、リュックの中からガシャガシャと白いレジ袋を取り出しました。
「ほら、これ食べれ」
ああ、これ! 豆腐工場『豆太』の ”豆乳おからドーナツ” 。
”まる豆腐” に ”おから” 、分厚い ” 揚げ ”もある。
この揚げは、『豆太』の直売所だけで買えるハネ品だから、いっぱい入っていて嬉しいね。
おばちゃんの家は豆太の工場の近所なので、併設している直売所にすぐ行けるから、こちらは私が羨ましい。
『まる豆腐』は外側のビニールを爪楊枝などでプツっと刺すとツルっンと出てくる丸い豆腐。
『十勝の大豆、伊豆大島のにがり、札幌手稲山系の伏流水のみで作りました』と書いてありました。
北の大地で生まれた大豆がはるか遠くの島のにがりで出会い、手稲の水が取り持って、美味しい豆腐ができたのね・・・などと、勝手に物語ふうに考え嬉しくなります。
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ドーナツは、おからが入っていると、教えられなければわかりません。
しっとりしてて、もちっとしている。これがなかなか美味しいです。
数日あとには、今度は私たちがおばちゃんの家に行くことになっているので、その時は ” ばっけ ” の天ぷらを作って持って行こうと思います。
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