北海道・札幌発・だべさ通信5

お宅の車はあちらだと思いますが

札幌西区にある『もち吉』というお店は、『あられ』が、なかなかイケる和菓子屋さん。
実家の姉が行ってみたいというので、買い物途中に寄る事にしました。
四角いカンカン(缶)に入った短冊のような色とりどりのあられ。
深い霧に包まれたような和紙で丁寧に包装されたおせんべい。
見るからに食欲をそそられる試食のタッパは、奥様たちを中心に忙しくパッタンパッタンとふたが開閉されています。
私もその一人だけどさ・・・ほほ。
レジで順番を待っている姉を残して、私たちは先に、お店の前に止めてある車で待つ事にしました。

少しすると、お店の中から玄関ドアのガラスごしに、年配の奥様がこちらを見ているのに気づきました。
片方の手には、おかきの袋、もう片方の手にはおせんべいの袋を持っています。
それを、天秤のように、上げ下げしている。
おかき・・・おせんべい・・・おかき・・・おせんべい・・
??
それはまさしく『おかきがいいの?それともお煎餅?』のポーズでないかい?

きっと隣に止まっている車にむかって・・・・いない。
それじゃあ、付近に身内の人が・・・・立ってない。
っちゅうことは、やっぱし旦那さんを見ているのか?
手旗信号のように、おかき とおせんべいの袋を上げ下げしていた彼女は、一瞬いなくなったかと思うと、今度はまた違う袋を持ってガラスの扉のむこうから、明らかに『こっちなの?!それともこっちなの?!』と、袋をちょっと揺らしぎみ、目にも力が入ってる。
仕方ないから、んんってうなずいちゃおうか??

あら、駐車場の端っこに同じ車が止まっています。中には年配の男性がボ〜っとあっちを向いているわ。
もしや、あちらの車がご主人?
ガラス越しということに加えて雨での視界不良、暗い車内、さらには同じ車だからという思い込み・・・・
もしかしたら、少し目がお悪いのかもしれませんね。
奥様は、こちらの車を自宅の車と勘違いしているようです。

とうとう、まったく反応しないご主人(旦那さん?)をあきらめ、お店の奥に消えて少ししてから、お菓子の袋をさげて出てきました。
2.3歩 歩いてから急に左に直角方向転換、何事もなかったようにご主人の車に乗り込みました。

ドンマイドンマイ。もし間違えたとしても気にする事などないもんね。
私なんかこないだ、駐車場で間違えて別な人の車のドアをひっぱっちゃったんですから。
あきれた旦那さんにしたら
『車まったく似てないべや』って思うだろうけど、だってだって私にはウチの車に見えたんだもん。

 


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