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スイセンは、私の中では特別な花です。
花壇に咲いてるどの花よりも、人と一緒に春を過ごしてきた花だからです。
雪がとけると、ポっと灯りをともすように、必ずどの家の回りにも咲いていました。
手間をかけずに放っておいてもちゃんと咲くから、花壇というよりは畑の隅っこだったり、家の前の道ばただったり。だから外で遊ぶ子供達のそばにも、必ずスイセンの花があったもね。
なのに、いつしか主がその場を去る事になった時、花壇の花は連れていくのにスイセンは忘れ去られてしまいます。
それでも、春になったらちゃんと咲く。人がいなくなってしまっても、家が壊されても、回りに雑草が生えてしまってもね。
草むらで咲いてるスイセンを見ると、いつか家族が戻ってくるかもしれないと、”ここだよ”って言っているように思えてきます。
今年も、空き地の草むらに、まぶしいスイセンの花が先ました。
ここにも昔、古い家が建っていました。
もう、随分前に、壊されてしまって、今は跡形もないのにね。
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