樹木にとって、いきなり見ず知らずのツルが足元からニョキニョキ生えて、しがみつかれてグルグル巻きにされちゃったら驚くでしょうね。
あれよあれよという間に木肌をつたって這い上がり、太陽の光を横取りされちゃう。
そんなツル植物を見ていると、なんだか怖く感じてきます。
これは ”ヤマブドウのツルに巻かれた木” 。
もう何年も前からこの状態で、見るたびに辛そうだなあって思って見ています。
2005年に撮影した同じ木の写真がありました。
小さいけど、勘弁してね。こちらが2005年のとき。
こちらが今日写した同じ木。
■ 木は締め付けられて成長できない
根元の方から、グルグルと右回りに締めあげられちゃってます。
木の方も、毎年少しずつ成長はしたいのだけど、それは山ブドウのツルだって同じこと。
今では、ツルと木の間は、すき間がないどころかもうギッシギシ。
木の幹の中にブドウのツルが食い込んで、人間なら窒息しちゃうんでないべかと思うくらいです。
こうして木をよじ上って木を這い上がったツルは、ちゃっかり太陽の光ももらっちゃう。
このままでは、木はいつかパタ・・・・・といっちゃうね。
現実に、ツルに閉められた木はいつかは枯れてしまう運命で、林業の世界でも、ツタは敵!だそうです。
■ もし自分がヤマブドウだったら
悪者みたいに思えるツル植物だけど、もし、自分がヤマブドウだったらどうなのかと考えてみました。
木とツル植物の大きな違いは、木には年輪があるのにツルにはないところだそうです。
ツルは木のようにピンと自立する事ができない。
いくら一生懸命生きたところで、年輪ができないってことは芯がないんだからどーしようもない。
どうせ自分は芯のない人間さ、あいやツルよ。
いつもフニャフニャ。
自分で立てないんだから、いくら頑張ったって地べたを這いずり回るだけ。
背の高い木に負けて当然よ。もうスネちゃうわ。
でも、それなら自由自在の柔軟な体を武器に、誰かに抱きついて伸びちゃおうかしら。
ツルが伸びる早さは木の数倍、あっというまに木をよじ上って追い越せちゃうもね。
そしたら木の上にも自分の葉っぱを出せるから、もう太陽の光はこっちのもんよ、おーほっほっほ。
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■ 木が死んだらツルはどうなる
いくら、ツルが賢いと言っても、自分が巻き付いた木があるときパタっと死んだらもともこもないんじゃない?
せっかく伸ばしたツルも、地面にバサっと倒れてしまうじゃないか。
ふと、そんなふうに思ってしまった私、でもそれは思い過ごしというものでした。
木が死んで倒れたも、ツルは再び伸び始め、次のターゲットを探し、クネクネと動きだすのです。
恐るべしツル植物。
芯がなくても、生き方しだいで強く成長できる事を、ヤマブドウは証明していますね。
”コイツ、芯のないヤツだな”
なんて言われたって気にしない。
芯のないヤツこそ、何度でも太陽の光を掴む事ができるんですから。
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