北海道・札幌発・だべさ通信5

命拾いの黒百合だべさ

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旅行の婆ちゃんへのお土産は、阿寒のお土産物屋さんで買った黒百合の球根です。
お店のおじさんが、もみ殻の中から球根を2つと少しのもみ殻をすくって、一緒に紙の袋に入れてくれました。
黒百合は黒というより、濃い紫色の花を咲かせます。

 

 

しばらくして旦那さんが言いました。
「婆さん、百合の根 食べたとよ」
え!食べたの?っちゅー事は焼かれたの?蒸されたの?
あら~、百合の根は食用にもなるのだから、お腹は痛くなったりはしないとは思うけど、短い命だったわね。

 

 

婆ちゃんが事務所に入ってきました。
「いやいや、おら餅だと思って食ったべや。したっけ球根だもなあ~」
ちょうど、よそからお餅を貰ったところだったので、紙袋の中身が餅だとばっかり勘違いしたようです。
目がよく見えないから、百合の根も白いお餅に見えちゃったのか。

 

 

それで、どうしたの?
「なんもだ、かじったけんども植えたべや」
そっか良かった、途中で気がついて。なんだか色々とホっとしたわ。
植えられた球根も、きっと今頃土の中で、涙浮かべてホっとしてるね。

 


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