PR
定山渓温泉は、豊平川の底からお湯が沸いているという札幌の奥座敷。
夏の暑さも和らいで、秋の紅葉シーズンにはまだ早い。そんなすっぽり空いた季節だがら、今は時間がゆっくり流れているのかもしれません。
人もまばらな大浴場は、天井までも湯気が届いて、あたりもぼんやり霞んでる。
「ありゃ、バナナだべか」婆ちゃんが、傍に置いてある大きな鉢植えを見て言いました。
「そうだね、バナナって書いてあるよ」
「バナナ、なるんだべか」
「さあ、どうだか、なるといいね、そしたら食べながら温泉に入れるもね」
あれ?このセリフ、前にも聞いたよな。
そう言えば、以前来た時より少し大きく育っているような感じがします。
「あっちもバナナか?」
「そうだね、あっちもバナナだね」
「バナナなるべか」
「さあどうだか、なるといいね、そしたら食べながら温泉に入れるもね」
「んだな~」
定山渓温泉にはカッパが住んでいるそうだけど、人影少ない今の時期なら、この二見つり橋のあたりにでも、ひょっこり姿を見せそうです。
セミの鳴き声も消えて、今はただ、川のせせらぎだけが谷の間に響きます。山が紅葉を迎えるまでの、ほんのひととき。定山渓温泉は、カッパも気がゆるむかもしれない、時間の止まる季節です。
人気ブログランキング
に挑戦中です!ポチっとして頂けるとランクup。励みになります。
に挑戦中です!ポチっとして頂けるとランクup。励みになります。