北海道・札幌発・だべさ通信5

豆炭あんかはアスベスト不使用だから今は安全

手稲区役所1階にある資料室をのぞいてみたら、おお、なっつかしいものが展示してあります。
左は何やらサイコロの親分みたいですね、右側にあるのはカンパンのような形。
これを見て、おお~!と思った方は、年期の入ったお年ですね!そう『あんか』です。


■ 『あんか』は炭や豆炭を使った暖房器具

『あんか』は、昔使われていた手足を暖める道具。
左の『あんか』は明治、大正の頃に使われていたもので、材質は陶器みたい。
この四角い箱の中には底の深いお椀のようなものが入っていて、ここに、炭や豆炭を入れておくんですね。
上に布をかぶせたりもして使ったそうです。

 

そして昭和になって、真冬に私を暖めてくれたのが右側にある『あんか』。
外観はカンパンの親分みたいな形で、写真の状態は『あんか』を開いたところです。
中には石綿がびっしり詰まっていて、中央にくぼみがあります。
このくぼみに置くのが火のついた豆炭(まめたん)です。

 

■ 豆炭1つで一晩中暖かい

豆炭は、石炭の粉を固めて作ったもので、ストーブの中にほうり込むと火が移る。
それを、火バサミでそーっとつまんで、中央のくぼみに置くのです。
それから、パクっとフタをしてパチンと閉じる。
火のついた豆炭は、夜寝るまえに布団の中に入れておきます。
使い方は、湯たんぽと同じね。
このまま入れると、火傷する恐れがあるので、タオルでグルグル巻いたり、毛糸で編んだ袋に入れたりしていました。

豆炭は石綿の中でジワジワとゆっくり燃える。
シバれる冬の夜でも、そりゃそりゃ暖かい。
布団をかぶるとしてくるのは『あんか』の匂いだったと思うわ。
朝まであたたかかったもね。
あの匂いは『冬だけど暖かい』という感覚を蘇らせてくれるのです。

 

■ アスベストは使われていない現在の『あんか』

ところで、石綿ってアスベスト?
調べてみましたら、昔『あんか』に使われていた石綿は、アスベストだったようです。
今でこそ、アスベストの被害については色々報告されるようになりましたが、子どもの頃は、頬ずりしたいくらい暖かくて気持ちよかったわ。
危なかったね〜。

現在でも、『豆炭あんか』は健在!
豆炭たった1個で一晩中暖めてくれて、しかも暖房費の節約にもなるということで、今でも根強いだそうです。
それもそのはず、石綿にアスベストを使っていたのは昔のことで、現在ではロックウール(岩綿)などの安全な素材が使われているそうです。

アスベストの詳しいことはこちら>

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