北海道・札幌発・だべさ通信5

連れて帰った『王様のパイ』

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よそのお宅へのお土産に、ケーキを持って行く事にしました。
そのケーキ屋さんは、この辺じゃとても人気のあるお店で、店内はお客さんで賑わっています。
店員さんにケーキを包んでもらっていると、ショーケースの中から、こちらをジ〜っと見ているパイがいます。

 

おお!これがうわさの『王様のパイ』だね。
ショーケースの上の段で、王冠のように飾られていたそのパイは、お皿の形のパイ生地の上に、カスタードクリームがぽってり乗ってて、そこにパイが無造作に刺してあります。
ふりかけられた粉砂糖は、まるで白いドレスをまとったようです。

 

 

すると、そのパイが言いました。
”私を家まで連れてって・・・・”
あら、どうして私にそんな事を。
だめだめ、私はお土産に持って行くケーキを買いにきたんだから。
パイは、今度は少し訴えるように、
”でも私、このサクサクパイでカスタードクリームをすくって食べるととても美味しいのよ、ほっぺたが落ちちゃうのよ”
なんて言うんです。
ほっぺたが落ちたら困るしょやね。そんならなおさら連れては帰れないわよ。
私が冷たく言ったので、パイはちょっと寂しそうな顔をしました。
”私はお買い得なのに・・・・680円なのに・・・・”と、ぽってりカスタードをかすかに振るわせました。

 

 

仕方ない、それじゃあ一緒に帰りましょうね。
「あの、このパイも下さい」
「はい、王様のパイでございますね」
こうして、パイはお土産用のケーキと一緒に、我が家に帰る事になりました。
パイはとても幸せそうでした。

 
「洋菓子工房べんべや」札幌市手稲区星置3条5丁目3-35

 

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