郵便局から我が家までは、急な坂を登ります。
その坂は、通称 地獄坂って言われていて、途中で立ち止まって少し休憩をしないと、とてもとても上がれたもんじゃありません。
いつもだと、3分の2くらい登った所で息が上がってしまい、ハアハアとヨイショを連発しながら登る坂です。
でも、今日は違う。
オリンピック選手になったんだもん。
腕を振り、少し大股で登る。
アナウンサー = 『ぽぷら選手、今登り始めました、大きな歩幅でスタスタと、快調に飛ばしております』
解説 = ” まだ十分に余裕がありますね。鼻呼吸だけで登っていますよ”
次第にキツくなってきちゃったわ、とうとう口を開けてハアハアと息が荒くなる。
アナウンサー = 『ぽぷら選手、中盤はやや苦しそうですね。』
解説 = ” そうですね、あの体重を持ち上げるんですから、相当なエネルギーを要するのは当然でしょう。”
心臓もドキドキしてきちゃったわ。
あとどれくらい?まだけっこう距離があるね、ああ、しんど。
アナウンサー =『ぽぷら選手、時々、坂の上を見上げていますね、頂上までの距離の確認でしょうか。』
解説 = ”これはちょっと、危ないですね。途中で立ち止まってしまわなければよいのですが』
ハアハアハアハア・・・心臓ドキドキ。
アナウンサー= 『最後の追い込み、どうでしょうか!』
解説 = ”足元がちょっとふらついてきましたね。おーっと、ちょっと今、右足がカクっといっちゃった模様!”
あともう少し・・・ヤッタ!登ったぞハアハアハア・・
アナウンサー=『やりました、ぽぷら選手、銅メダル!』
解説 = ”すばらしい坂道競歩でしたね!最後の追い上げが見事でした。”
この坂を、途中立ち止まらずに、登ったのは初めてかもしれない!
なんだか、オリンピック選手の気持ちにちょっと近づいた気分・・・・気持ちだけ。