小学校のクラス会を終え、手稲方向に帰る4人でタクシーに乗り込みました。
二次会までお付き合い頂いた先生ご夫妻と私は後ろの座席に、彦星君は助手席に。
まさか あれから50年後に、先生と『銀座の恋の物語』をデュエットしたり、タクシーで肩を寄せ合う事になるなんて、未来とは本当に予測不可能ですね。
「いやあ、楽しかったなあ」先生は、ほろ酔いかげんの目をショボショボさせて言いました。
”そうですね、先生とは歳が離れていないことも幸いですね” と私。
先生と私たちの歳の差はたった18歳。
だからほら、私もこの歳でしょ、もう生徒と先生の見分けがつかないの。
「そうだよなあ、若かったもな」と先生。
すると、「あら、あなたは18でしょ、私なんか13しか離れてないのよ」
奥様は先生のヒザをポンと叩いてから私を見て、”ね” と顔を見合わせる。
福岡から帰省中の彦星君が助手席から声をかけました。
「先生、来年になったら僕、戻ってきますから、そしたら今度はいつでも集まれますよ」
私たちは来年還暦、そろそろ定年を迎える年齢なのです。
先生はシートから身を乗り出して、
「そっか、戻ってくるのか。そしたら、先生が死んだら骨拾ってくれな」だと。
いくらなんでも、それはちょっとまだまだ先の話にしてほしいです。
車が先生のお宅に近づいてきたころ
「このあたりかな?」と言う先生に。
「違うわよ、もう少し先でしょ、そこは道路工事してる場所じゃないですか」と奥様。
先生をしっかりサポートされていますね。
まもなく先生のお宅にタクシーが到着しました。
今頃はきっと他のみんなも、いつもと違う幸せを感じながら、それぞれの家路に向かっている事でしょう。
運転手さんは「ここで止めていいですか?」
と言って車を道路わきに止めると、続けて言いました。
「いやあ、いい話を聞かせてもらいましたよ。そんなお客さんを乗せて、なんだか僕も幸せになった気分です」
わたしもタクシーの運転手さんと同感です
今日は いいお客さんを乗せれたと?思うでしょう
考えてみたら タクシーの運転手さんは 嫌なお客さんも中には多いとは思いますが たまに感動するお話とかタダでコッソリ聞けるんだよな?それって素敵なことって思いました
彦星君って名前が メルヘン☆?ロマンチックだなぁと思いました~♪
すみれさんへ
確かに、タクシーの運転手さんはいろんなお客さんを乗せるので、時にはイヤなお客さんもいるでしょうね。
彦星君は、1年に1度だけ札幌に帰ってくるので、そんなあだ名にしちゃいました。
でも、来年からは戻ってくるので、彦星君じゃなくなってしまいますね。