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ここは急な坂道。
ご近所では『心臓破りの坂』って言われているらしいです。
この坂道が凍ってしまったら、登る車は空回り、下る車はブレーキが効かずにツツツーっと国道まで落ちてしまうかもしれない。
だから冬になると、坂道の急な部分だけがロードヒーティングになります。
道路に雪がなければ車がスリップする事はないけれど、こうすることで困った事もあります。
ロードヒーティングされている道路の部分と、されていない部分の境目に、高い段差ができてしまうんです。
ほらこれ、アパートの出入り口との間に、大きな段差ができています。
アパートの前はヒーターが入っていないから、降った雪が踏み固められるので地面より高くなってしまいます。
しかも段差の境目の部分は、ロードヒーティングの余熱とか、タイヤで磨かれたりとかして、テッカテカのツルッツル。
この段差は10センチ以上ありそうですね。
あまりに段差が高くなっちゃうと、車がお腹をすって壊れちゃう。
だから本当は、削っておかないと危ないんだけどね。
車も大変だけど、歩くほうも、歳をとったら命がけよホント。
若いときは、いくら足元が滑ったって、反射的にパっとバランスをとってスタスタ歩けたし、ズルっと転びそうになっても、とっさに手をグルグルっと回して持ちこたえられたもんです。
なのにさ、最近の私は平地でもヨロけるときがるもんね。
ヨロけたときには、”なんだべ!” とか言いながら後ろを振り返り、道路のせいにしちゃうわけ。
こうやって、歳をとっていくんだべかね。
そういえば、この坂の上に住んでいる知り合いのおばあさんは、冬のあいだ家を出るときはいつもタクシーを使うそうです。
引っ越しも考えなきゃとも言っていたっけ。
坂の上は眺めもいいし、自然もいっぱい。
子ども達を育てるには、とても環境のよい所です。
でも暮らしって、住む人自身の状況が変わっていくものだから、昔と同じ生活というわけにはいかなくなるもんね。
は〜、やっと半分くらい登ったかしら。
下から車が来たら危ないから、ツルツルだけど左の氷の段のに上がった方がいいかしらと、登ってみました。
ヨイショ・・・・おお、こっちの方がなお危ない。
これは、自分の運動神経を信じるよりも、ドライバーさんを信じた方が安全かもしれない。
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