『あく巻き』(灰汁巻き)は、鹿児島県など南九州地方でよく食べられている和菓子で、もち米を灰汁で炊いたものだそうです。
思いがけず、鹿児島県から送っていただきました。
しっかり包まれた孟宗竹の皮を開くと、中から現れた『あく巻き』は飴色でツヤツヤ。
触った感じは、ポテポテと柔らかい。
食べるときは縛ってあるヒモで切ると切りやすいみたい。
なるほどなるほど、ちょっと切ってみて。
次男が『あく巻き』を縛っていたヒモで、スーっと切りました。
旦那さんが一口食べて「ああ、灰汁の風味がする」と言いました。
ほんとうだね。しっとりしていて、初めて食べたのに、なんだか懐かしい感じがする。
それは撒きストーブで育った遠い子どもの頃の記憶かもしれないです。
山から採ってきたワラビを、母がよく撒きストーブからでた灰汁でアク抜きをしてましたっけ。
旦那さんは きな粉を普通くらいにまぶして食べたけど、私なんか小さく切って表面積を増やしたもんね。
したら きな粉いっぱい付けられるから、すんごく美味しかった。
『あく巻き』についてウィキペディアで勉強したら、もーっと美味しく食べられるんでないかい?!
という事でなになに、『一説では、薩摩藩が1600年の関ヶ原の戦いの際、または1592年の豊臣秀吉の朝鮮出兵の際に日持ちする兵糧として作ったのが始まりといわれる。西南戦争の際には西郷隆盛が保存食として持参』
そ、そんな歴史のある食べ物だったのか。
他にも『平家の落人によって伝えられたとか、たまたま焚き火に落としたおにぎりが腐らなかった・・』などなど、色んな説があるそうです。
水分が多いのに日持ちがよいのは
『”長時間煮ることによる滅菌” ”木の成分による抗菌””アルカリ環境による雑菌繁殖の抑制” ”竹の皮による抗菌” などなど、幾重にも施された殺菌効果のよるものである・・・・』
すんごいねー、感心しちゃうね、昔の人はほんとすごい。
人間の生きる糧である食べ物を、どうやったら少しでも長く保存できるのかという事は、その土地の環境の中にちゃんとあるってことなんだね。
薩摩藩の兵士たちも豊臣秀吉も、西郷隆盛も食べたかもしれないけれど、こんなに きな粉はまぶせなかったと思うわ。