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永田さんは私より少し先輩で、昨年、実母をみとりました。
90才まで地方で1人暮らしをしていたお母様でしたが、さすがに1人では心配と、数年前から永田さんの住む手稲(札幌)のグル−プホームに入所していたのです。
「母のめんどうをみるのは私だけだったでしょ、だから亡くなったあとも大変だったのよ」
永田さんは1人娘なので、遺影は永田さんが預からなければなりません。
けれど家には、長男であるご主人方の仏様がいます。同じ仏教でも宗派が違い、さらに、親戚などのからの風当たりが強く、1つの家に2件の仏様などとんでもない言われて、永田さんは実母の遺影を、ずっと押し入れの中に閉まっておいたそうです。
「母には悪いなあって思ったけどね」
そりゃそうだよね。宗教や宗派によって色々な決まり事はあるのでしょうが、どうしても仕方のない状況の時だってあるしょやね。
「そしたらね、こないだウチの旦那がさ、『お前の母さんの写真も飾ってやれ』って言ってくれたの、もう私、涙出ちゃったさ」
そうですか!いかったねえ。今年は初盆、ご主人様も、ゴチャゴチャ言うまわりの人より、奥様の気持ちを大事にされたんだね。
「でも一応、旦那のほうのお坊様にも話したのよ、そしたらね」
んん、そしたら?・・・
「な〜んにもかまいません、お釈迦様は、そんな心の狭い事はしませんよだってさ」
ますます、いかったねえ。
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いつか見たTVのドキュメントを思い出しました。
隣り同士のお寺と教会がありました。
ある日、お寺の住職の母親が亡くなりました。
お葬式はもちろんそのお寺です。何人もの僧侶たちがお経を合唱し、お線香の煙りがあたりに立ちこめています。
そこに、隣り教会の牧師様がやってきました。
牧師様は、その中をゆっくり歩み出て、祭壇の前で十字をきり祈りました。アーメン・・・
お経の声は一段と大きく響き、牧師様を包み込みました。
住職は、「母はなんて幸せなんでしょう。お釈迦様にもキリスト様にも導かれて、天に登って行ったのです」
と言いました。
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これだべさ!
お互いに認め合い、尊重する。
気持ちの求めるところは同じなんだから。
ただ、その方法が違うだけなのさ。
永田さんの話しを聞いて、そんな話しを思い出しました。
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