北海道・札幌発・だべさ通信5

かっこいい爺ちゃん

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そろそろ初雪が降る季節。
自転車に乗れる日も、あとわずかです。

 

パン屋さんから出てみると、あれれ、私の自転車の横にも後ろにも自転車が置いてあります。
なんとか体は通って荷物はカゴに入れたけど、このままじゃ出られないもんね。
自転車をずらさせてもらうしかありません。
でもさ、すぐそばには車も止まっているから私がやるには危なかしいの。
そんな危険を犯すくらいなら,どちらかの自転車の持ち主が現れるまで待ってみようかしら。

 

 

そんな事を考えていた時、通りがかりの知らない爺ちゃんが、邪魔になっている自転車をヒョイと持ち上げ、2.3歩横にずれました。
爺ちゃんは、私とさほど変わらないくらいの背の高さ。多少腰が曲っているから155センチくらでしょうか。しかも細身。
「ほれ、いいよ、行きな」
え!あ、有り難うございます。
「なんもなんも」

 

 

なんて親切な爺ちゃん。
しかも、私が難儀している事を察してくれたなんて。
爺ちゃんは、私が自分の自転車を出すと、またヒョイと自転車を持ち上げて、元の場所あたりに自転車を置いてくれました。
爺ちゃん、かっこいいわ。
親切にされると、今度は私も、やれる事で誰かに親切にしてあげたくなります。
スーパーの大きな扉を開けた後ろから、どこかのお婆ちゃんがやってきました。
戸を抑えて待っていると、お婆さんは「どうもどうも」と言いながら私の後に続きました。
この程度は親切に入るのかね。

 

 

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