北海道・札幌発・だべさ通信5

やりがいのあること

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最近その事務所に通うようになった吉田さんは、チラシや封書をまとめる作業を手伝っています。
緊張しやすいハンディを持っているようで、最初会った時には右手がぶるぶる震えていました。
相手の目を見て話す事も苦手なので、作業を教えてくれる職員のおじさんとは、下をむいたままおしゃべりしています。

 

 

数日が過ぎた頃、おじさんが、
「えーっと、これはいつまでに終わらせればいかったかな」と独り言を言いました。
すると、吉田さんが
「これ(チラシ)には、3月○日の事が書いてありましたから、それまでには終わらせなくっちゃ。それから、この郵便番号はヘンですよ」と、封筒に書かれたミスを見つけました。
「あ、本当だ、よく見つけたなあ、えらいなあ」おじさんは、ちょっとびっくりした様子です。
ちょうどそこに私も居合わせたもんで、一緒になって”すごい!”と拍手しました。
吉田さんはニコリともせずに、下をむいたまま、作業を続けていたけれど、ちょっとは嬉しかったんじゃないかな。

 

 

そんな事があったので、今日、所長さんに、吉田さんの頑張りの事を話しました。
「そうですか、やりがいが見つかったのかもなあ」と、所長さんもちょっと嬉しそう。
”やりがい”か...そういえば、しばらくないな”やりがいがあるな”って感じた事。

 

 

掃除はめんどうだし、料理だってさ、毎日同じレパートリーしか浮かんでこないしさ。
いったいどこに”やりがい”なんてあるんだろう。
「お母さん、このフライ、美味しいわ」
え!そう。今日さ、スーパーに行ったらさ、なんとこのタラに100円引きのシールがねペタって貼られたのさ、その瞬間に今晩のおかずはこれだ!ってひらめいたわけ。美味しいかい?そうかい、そりゃいかったね。
なるほど、”やりがい”って、けっこう単純に生まれるもんなんだね。

 

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