北海道・札幌発・だべさ通信5

アコーディオン奏者めざし

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近所の一人暮らしの爺ちゃんの家を通りがかったとき、たまたま玄関にいた爺ちゃんは私を見つけて ”こっちこっち”と手招きをしました。
爺ちゃんはこの寒いのに長袖シャツにラクダの腹巻き。寒いべさね、大丈夫かな。

 

 

私が近づくと、人差し指でタクトでも振るように
『オレさ、今度アコーディオン始めたんだわ』と、ちょっとニンマリして言いました。
「へえ~、アコーディオン!すごいですね~」

 

 

それから腕組みをして、
『いやいや、息子が昔使っていたヤツだから古いんだけどね、41鍵あってさ、今買ったらそうとう高いヤツよ』
へ~そんなに立派なものなんですか。
アコーディオンと言えば、昔NHKのど自慢で横森良造さんが抱えて伴奏していましたね。
『左にもボタンがあるべさ、そ~れで伴奏入れるのが難しいのよ。いや、オレはできるけどね。本格的にやろうと思ってさ。ちょっと聞いてみるかい?』
「え、ええ、是非聞かせて下さい」急ぐ用事もないしね。

 

 

しばらくして家の奥から出て来た爺ちゃんは、小さなレコーダーを持って現れました。
「これは?」
『これに録音されているのよ、ほれ、イヤホンしてみ』
ほ~~!爺ちゃん80才にしては、なかなかメカニックなのね。どれどれ

 

 

『いくぞ、スイッチいくぞ・・・ここか?ここか?・・・今 鳴るぞ・・これか ポチ』
・・・・・・・・・・・
♪ ~ ズンチャカ ズンチャカ タリラリラ~ラ~
おお~!!
重厚な伴奏リズム。哀愁を誘う昭和ロマンのメロディーがあふれてきました。
体に染み付いてる単純明快なリズムが首を上下に振っちゃうわ。

 

 

「す、すごいうまいっしょ!」
『んだべ〜』

 

 

「是非どこかでご披露されるといいですよ!!」
「このプロがやってるヤツをこれから練習するのよ』
「・・・・・・そ、そっかあ~~~これはプロの演奏でしたか。はは・・・ははは」

 

 

アコーディオン。
左手も右手もいい運動になりそうです。
いつか、爺ちゃんの本物の演奏が聞ける日がくるといいね。

 

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