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それは去年の冬の事、千歳市内の交差点にさしかかったときでした。
向かい側の建物から、長いコートを着た男性が出てきました。
『○○珈琲』と書かれた蛍光看板があります。あ、そこは喫茶店なんだ。
最近ではすっかり少なくなった喫茶店。『珈琲』という文字を見ただけで、どことなく懐かしささえ感じてしまいます。
扉を押して出て来た男性が、さっと向きを変えて歩道を歩き始めたとき、はおったばかりのコートの裾がふわりと浮き上がりました。
まるで鳥が飛び立つ姿をスローモーションで見ているかのように、真っ白な雪の歩道をコートの羽がなでました。
うわあ、そのコート、カシミア?それともシルク・・・
ま、まあいいわそんなこと。
それよりも、大きく揺れたコートの舞が、その喫茶店のコーヒーの味を物語っているように思えたのです。
それが数日前、たまたまその喫茶店に入る機会がありました。
改めてみると『東亜珈琲館』という喫茶店でした。
レンガ造りふうの外観はおもむきがあるね。
コートの男性が出て来たその扉を開けると、そこはまさに喫茶店そのもの。
最近では、昭和レトロなんて言うらしいですが、昭和レトロの居心地はいいもんです。
角が取れたようなテーブルの光沢は、何度も何度も拭いたからなのかしら。
奥の席に、中年の男性が一人ゆっくりコーヒーを飲んでいます。
私がお願いしたコーヒーは、今サイフォンの中で、熱せられたお湯と混ざり始めたところですよ。
お店の女性がマドラーでクルクルっとかまかすと(かきまぜると)、コーヒー豆がサイフォンの中を飛び回る。
コーヒーツウじゃないけれど、カップに注がれる前の抽出ショーも、味のうちだったよね。
そういえば昔 ガロが『学生街の喫茶店』という歌を歌ってました。思い出しちゃった。
レジの傍にお持ち帰り用『東亜珈琲館』のドリップコーヒーもありました。
お取り寄せも・・↓
昭和の香りがする千歳の喫茶店『東亜珈琲館』のレギュラーコーヒードリップコーヒー北の国から…
東亜珈琲館本店
千歳市清水町4-19