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そこは、運だめしみたいなお店でした。
以前から、『ワンコインのマグロ丼』の看板が気になっていたという旦那さん。
お昼も過ぎた頃、ちょうどお店の前を通りかかりました。
本当に500円でマグロが食べられるのかな。
もしかして、切り目を入れたお刺身を広げてさ、そのまた横に切り目を入れて、透けたところでご飯に乗せる・・なんてかもしれないよ。
ガラガラガ・・・
こんにちは・・・
「らっしゃい！」
テーブル席の向こうにカウンターがあって、その奥でピンク色のシャツを着たおじさん一人が手を動かしています。
金魚の水槽、植木鉢、奥の座敷の壁には、伊勢エビの剥製の入った額にペッタンコの座布団。
どこか懐かしい、食堂です。
ほんとだ、ワンコインのメニューが多いっしょ。
しかもマグロ丼がやっぱし480円！カッコして”切り落とし”と書いてあります。
な～るほどね。 ”切り落とし”でも充分だわ。
「 すいませーん、まぐろ丼と、まぐろの刺身定食、お願いしまあ～す！」
「はいよ！」
おじさんは、愛想をするでもなく、さっそくマグロを切り始めました。
それが終わると、大きなどんぶりを片手に持って、ウチワのようなジャーのフタをガバっと開け、手のひらのようなシャモジで、ご飯を一気にどんぶりにボンと入れました。
マグロをパパっと乗せてカウンターの上にドン！
うわあ、ダイナミックだな。
「はい、おまちい・・・」
おじさん！器の置き方適当だよ。
だけど、・・・すんごい量のマグロだね！！
スーパーで売ってる1パック以上あるかもよ。
それに美味しいよ。
「ごちそうさまでした」
「はい、 960円だよ！」
いかったいかった。たまには、素朴な食堂はいかがですか。
札幌市手稲区前田559 居酒屋菜の花
