北海道・札幌発・だべさ通信5

伝説は、事情によって変化する

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数年前まで琴似(札幌市西区)の本通に古本屋さんがありました。
ふらっと入った時に、偶然『北海道ロマン伝説の旅』という本を見つけました。
30年以上も前の昭和51年の出版で、文字を持たなかったアイヌの人たちが口伝えで残してきた物語や、北海道に和人がやってきてからの物語をまとめ、作者がその足跡をたどりながら取材したものです。
中をペラペラと覗いてみると、見覚え聞き覚えのある地名や神社、お寺の名前が登場しています。
なにも知らずにその場所を通り過ぎていたなんで、もったいない話だね。

 

 

読んでいくうちに、物語には種類がある事に気づきました。
本当に起きた出来事の物語。人々の前に起きた不可解な現象が、神の行いと見えるかタタリと見えるかでできた伝説。
もう1つは、いつの時代にもある、”ビジネスチャ〜ンス!!”とばかりにわざと作り上げたり、自分の行いをタタリの仕業に押し付けちゃった伝説です。
それらが、時代の事情の流れにこねられこねられ、おまけが付いたり切り取られたりしながら、今の時代に伝わっているという事です。

 

 

この本が出版されてから30数年という月日が流れているから、本に登場した小さな町や集落では、昔に起きた出来事は忘れ去られ、石碑や祠があったとしても土に埋もれてしまっている所があるかもしれませんね。

 

 

先日、この本の続編がもう出版されているのを知って、ネットの古本屋さんから買いました。
30年以上たっても新品同様。何でもデータで読む時代だけれど、そこに存在している本は安心でいいものだね。

”北海道のこの町に、こんな出来事や物語があった”という事を、少しずつ書き貯めるのもいいかもしれいと思いました。
ブログにアップしようかな。あら、でも、これだっていつかは消えちゃうデータだよね。そっか私の場合は、その方がいいわ。
ついつい、スタイルよく書いちゃうもんね。本当は、ポッコリお腹がデレンとなっているのにさ。

 

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『だべさ通信3』