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「納沙布岬のお土産物やのおばさんさ、”今日は帰ったらストーブ焚かなきゃ”って言ってたよな」ハンドルを握りながら旦那さんが言いました。んん、言ってた言ってた、。びっくりしちゃうねえ~。やっぱし、北海道は広いんだねえ。・・・で、次は何処に行くんだっけ?
「そろそろ見えてくるはずだから、よ~く回りを見ていろや」
はいはい。
見渡す限り、牧草地た畑が続きます。
「地図でみた時には、確かこのへんだと思ったんだけどな~」
回りをキョロキョロしている時、あ、あれ!写真で見たのと同じだよ。
それは、巨大な植木鉢が埋め込まれたような形の『掩体壕』(えんたいごう)というものです。
日本が第二次世界大戦の時に作った、飛行機を隠す為の格納庫です。
当時は日本の各地に作られたそうですが、北海道にも、いくつもある事を知りました。
その多くは取り壊されましたが、コンクリートでできた巨大建造物はそう簡単には壊す事はできず、戦後もそのままになっているものが、いくつも残っているそうです。
ここは旧帝国海軍根室第二飛行場だったそうです。
こんなに広いんだもの。飛行場、いくつもできちゃうね。
この『えんたい壕』は牧草地の中にあるので、ここから眺める事にしましょう。
遠くに見えるえんたい壕は、もやの中から浮き上がり、当時の時間を封じ込めている自らの姿を、私たちに訴えかけているようです。
あの闇の中から、今にも飛行機が現れるのではないか。
どこからか飛行機のエンジン音がして、霧の中から霧の中から姿を表すのではないか。
そんな光景が、戦争を知らない自分の脳裏に浮かびました。
「戦争の飛行機が、空を飛んでいるのが見えたような気がしたよ」と次男が言いました。
そうか、みんな同じ事を考えていたんだね。
このあと私たちは、 もう1つの『掩体壕』
を見に行く事にしていました。