北海道・札幌発・だべさ通信5

日が落ちる頃は外で

札幌は、今日も気温が上がって真夏並み。
それでも夕方には落ち着いて風もやみました。
こんな日は、景色の色がしだいに失われていくさまを、じっくり外で味わいたいものです。

 

 

「外で肉 焼くか」
いいねいいね

 

 

外にテーブルとイスを出して、七輪に炭を入れました。
このテーブルは、お払い箱になった食卓テーブル。
中央に穴を空け、七輪がすっぽりはまるようにしたもので、かれこれ20年以上も使っています。

 

 

即席のバーベキューコーナーができました。
七輪の中で、キンキンと炭が燃え始める音がすると、そのいい匂いがしてきました。
煙の向こうの空には三日月も浮かび上がりました。
ちょうど、知り合いの農家さんから旬のアスパラを頂いたので、これも一緒に焼いちゃおうか。
いいねいいねこの雰囲気。
キャンプに行ったみたいだね。

 
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と、言ってはみたものの、
家のすぐ横っちゅうのはさ・・・・あ、誰か通った。
「お父さん、家の前を通る人が、こみんなこっちを見るんでないかい?」
『大丈夫だって、車を置いて目隠ししてあるから』
「まあそうだけど、いくらでも回りから見えちゃうよ」
『気にしなきゃいいべさ』
そ、そうだね。どうせ暗くなるんだし。

 

 

そんな私達の様子を見て、婆ちゃんも外に出てきました。
「婆ちゃん、ワイン、飲んでみる?」
『おら いらねえ』
「じゃあ、ジュースは?」
『いらねいらね、おしっこに夜中起きなきゃなんないから、なんもいらね』
婆ちゃんにとってはまもなく寝る時間のようだけど、キャンプ用のディレクターチェアに腰掛けると、しばらくの間、外の時間を過ごしました。

 

 

そうしている間も、炭はずっと燃え続けているんだから、たいしたもんだね。
ゆらぐオレンジ色の炎で魔法をかけられると、夜空を削った我が家の屋根さえも、まるで額ぶちみたいに見えてくる。
さて、そろそろ片付けましょうか。
でもまだ火が残っているね。
じゃあそのまえに、やかんを乗せてコーヒーでも飲みますか。
いつのまにか、額縁の中で星がいくつも またたいていました。

 

 

 

 

 


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