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JR札沼線(学園都市線)新十津川行きも、中盤にさしかかりました。
列車は石狩月形駅に到着です。
月形駅は、月形町の中心の駅。
今まで通ってきた無人駅とはちがって大きい駅で、樺戸監獄のあった所です。
前日のブログで、道路掘削をしていた囚人たちの小屋があった場所の駅『中小屋駅』ってあったっしょ。
その囚人たちが入っていたのが樺戸監獄。
たくさんの囚人たちに踏まれてゆがんだ建物玄関の石がそのまま残されていましたよ。
その記事”悪人”は時代が決める・・・樺戸監獄
もご覧頂ければ幸いでございます。
さて、この駅で ”スタフ”の授受が行われるのです、これが見たかったんだよな〜。
スタフというのは、列車の通行手形みたいなもんです。
このJR札沼線は、単線で、しかも行き止まり。
そこに列車が2両走っちゃうと、列車同士がぶつかっちゃうかもしれないっしょ。
だから、先へ進める列車はスタフと呼ばれる通行手形を持っている列車だけ。
その列車が戻ってきたら、スタフを受け取って、今度はこちの車両が先に進むという仕組みです。
実は子供の頃、この光景をどこかで見た事があったのですが、この現代になっても、今だに日本で3カ所くらい残っいるという事をネットで知ったのです。
しかも、鉄道マニアの世界ではとても人気なんだとか。
懐かしいあの輪っこ(スタフ)の受け渡しシーンが見たい思いで、プチ鉄子になっていたしだいです。
この5月には、そのひとつ、江差線もなくなってしまいました。
江差線に乗ったときの記事江差線 ー湯ノ岱駅から大切なスタフとははこちらでございます。
石狩月形到着は8時17分。ここで、先頭車両がやってくるのを待ちます。発車は8時40分です。
それまで、列車から降りたりして待ちましょう。
運転手さんのそばにいよ。したら、受け渡しの場面が見られるもね。
ソワソワ・・・キョロキョロ・・・
き、きたあ〜〜〜向こうから列車がやってきました。
列車が並びましたよ。
私は、料金箱のそばに立って、駅員さんがスタフを持ってくるところを見ることにしました。
ワクワク ワクワク ワクワク
するといきなり、今まで前を向いていた運転手さんが運転室のドアをガバっと開けて、私に言いました。
「あの〜何か?どうかしたんですか?」
ギョギョ!!
あまりの挙動不審な中年おばさんに、ついに運転手さんも注意せざるをえなくなったようだ。
『え”!あ、あの、すみません。実はその、札沼線に乗れば、昔見たスタフが見られるそうで、懐かしくて・・・コレコレシカジカ 』
「あ〜、スタフね。お客さん、どこで見たんですか?」
『それがどこで見たんだか・・・札幌の手稲生まれなもんで、もしかしたらそのあたりかと・・・』
「あ〜、それじゃきっと小樽の方だよ。あっちは昔、よく使っていたから」
いかった、注意されるかと思った。
「スタフを懐かしくて見に来た人も珍しいね・・・・あっ」
運転手さんは、会話の途中で運転席の窓から身を乗り出して、駅長さんらしき人と言葉を交わしました。
何かを受け取った?スタフ??
ギョエ!私の見たかった手渡しの瞬間、終わっちゃった・・・・・・
「これがスタフですよ、写真とるの?したら今だけ、ここにこうかけるか・・どうだい?こんなかんじでいいかい?」
運転手さんは、なんと、私だけの為に、サービスしてくれたのであった。
悲しかったけど、嬉しい〜。
運転手さんはそれから
「ここのスタフの穴の形は四角なんですよ。ほら、時刻表にも四角い赤いマークで書かれてるでしょ」
おお〜、なんとマニアックな説明まで!
ありがとうございます。
『運転手さんとお話ができて、すんごく嬉しかったです』
「いやいや なんもなんも」
運転手さんはそう言うと、運転室に入り、パタンと扉を閉めました。
列車に乗っていた他のマニアとおぼしきお兄さんたちよ、私は運転手さんとお話しちゃったもんね。
おばさんは、なんだかちょっと、鼻が高くなったのでした。
さあ列車は、日本でも秘境と言われている駅へと進みます。
小さな駅長さんのいる新十津川駅も含めたJR札沼線の画像 >>