北海道・札幌発・だべさ通信5

気持ちだけは あるけれど

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おかえりい!
大学生の息子が帰宅しました。

 

「俺さあ、今日失敗しちゃってさあ」
あら、なしたの?

 

「朝の列車でね、札幌駅から乗ってきたおばさんがいて、俺のすぐ傍に立ったんだけどさ、そのおばさん目が見えないのさ」
んん。

 

「あっちの方に空いている席があるから、言わなきゃあ~って思ったんだけどさ」
ほうほう、教えてあげたの?

 

「それが、ずーっとどうしようか迷っていたわけ」
んん、そういう時って、わかっちゃいるけど勇気がいるもね。

 

「だけど、白石駅あたりに来た時に言ったさ『席が空いてますよ』って」
お~、そうかい!

 

「したっけさ(そしたらさ)、そのおばさん『次の厚別駅で降りますからいいです』だってさ。もっと早く言えばよかったと思ってさ」
な~んも、そんな事はないよ。そのおばさんはきっと、優しいお兄ちゃんだわ~って、とっても嬉しく思ったはずだよ。
それに、おばさんは座れなかったけど、あなたが声をかけたという事に意義があるべさ。

 

でもよく考えてみると、ハンディのある方への接し方を、私は身を持って子供達に見せた事があっただろうか。
せいぜい、婆ちゃんの座った車いすを押したり、それを息子に変わってもらったりしたくらいです。
『大学生にもなってそんな事くらいできないでどーすんの』とは、大きな声じゃ言えないわ。ギクシャクしちゃったのは、半分私の責任です。

 

「あー寒い、なんだか体だるいな」
あら、もしかして風邪?どれどれ、あ、こりゃ熱があるわ。昨日の嵐でびしょぬれだったもね。
したら今夜は、あんたのすきなキムチ鍋にするか。食べる?
「もちろん食べるさ」

 

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