爺ちゃんはスナックで

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楽しんだクラス会の二次会は、けんちゃん馴染みのスナックです。
大きなカウンターと、店内を見渡せるＬ字型したゆったりソファー。私達は奥のテーブル席に座りました。
カウンターの中を若い女性が数人、おしぼりを手渡したり、ハイボールをカラカラと混ぜたりと、かいがいしく動いています。
黒いワンピースのママは若く見えるけど、私より年上なんだと。
お客さんは、入り口に近いカウンター席におじさんがひとり。その隣りに男女の二人連れ。そして、少し離れて、私達の近い所に、80歳を過ぎているかもしれないお爺ちゃんが座っています。

 

 

あら、あっちのおじさんたら態度がちょっと大きいよ。さっきからカウンターの女性の手をにぎにぎしたり、大きな声でしつこく語ったりして、なーんかエッチくさい。
きっとこっちのお爺ちゃんも、あっちのおじさんと同じなんだべね。
ホントにもう、男の人ってどうしてこうなんだべか。

 

 

でも、しばらくたっても、綿のカッターシャツとベストをきちんと着ている爺ちゃんは、賑やかな私達とも対照的に、静かにお酒を飲んでいます。
時々、カウンターの女性に耳打ちをしては、歌をリクエストして歌ってもらったり、隣りに座ってもらって話をしています。
フムフム、エッチくさくないわ。
もし心の中はそうだとしても、手をにぎにぎしているあっちのおじさんからみると、とても紳士です。

 

 

爺ちゃんを、ちょっと誤解してました。歳をとっても紳士である事はとても大事な事なのだから、こういう所で若い女性たちと話をする事で、いつも身だしなみに気を使ったり、気持ちも若々しくいられるとしたら、それはそれで、とてもいい事ではないか。
これから世間のスナックは、お爺さん達の、社交場になるかもね。