北海道・札幌発・だべさ通信5

記念写真は面影と一緒に

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幼なじみのせいちゃんは、私より5歳年上で、事故で亡くなった兄の親友です。
今日は、せいちゃんの同窓会で記念写真を撮るお手伝いを仰せつかって、夕方、旦那さんと二人で会場のホテルに出向きました。
受付の陰から見ていると、次から次とやってくる同窓生の皆さんは、お互いの名前と顔を確かめ合い「お前、だれだ?」「わかんねえな」なんて、久々の無事を確かめ合っています。

 

 

「さあ、それでは記念写真を撮りますので、皆さんお集まり下さい」
会場に設けられた椅子に、皆さん、あーだこーだと譲り合いながらやっと着席。
それでは記念撮影です。
せいちゃんはここで「写真を撮るまえに、皆さんにご紹介したい方がいます」
と言って、私たち夫婦の事を紹介して下さいました。
「今日、皆さんの記念写真を撮って下さる方は、ポプラさん(主人)です。そして、こちら(私)は旧姓『佐藤』さんです。兄さんと似ているでしょ」

 

 

皆さん、私の旧姓を聞いて、瞳が一瞬大きくなりました。それから私の顔を見て、兄の面影を思い浮かべているようでした。
「よろしくお願いします」
皆さんとは5歳離れているけれど、私も同じ時代を同じ学校で過ごしているから、不思議と懐かしい友人たちと会っているようです。
最初の2枚は、緊張気味。
「皆さん、笑ってくださいね」ハハハハ・・
旦那さんの一言で、空気がなごみました。
それではパチリ。もう一枚、はいパチリ。

 

 

撮影が終わって後片付けをしていると、
「僕は、前回の同窓会の時に、お兄さんの事を初めて知りました」と、1人の男性が私に声をかけて下さいました。
「そうですか。兄が色々とお世話になりまして・・・」
「いえいえ、とんでもない・・・・」
こんな機会を作ってくれて、せいちゃんありがとう。
もしかして、写した写真の右端に、兄が写っているかもしれないね。

 

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