北海道・札幌発・だべさ通信5

記憶がこぼれ落ちないように

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その子の持ってる記憶の引き出しは、楽しい事から消えていく。
「次男には、そんな症状があるんですよ」
久しぶりに合った知人から、私は初めてその事を聞きました。

 

 

それは、みんなで何かをやり遂げた時の『ばんざーい!』っていう気持ちだったり、先生に『よくできたね』と言われた時のてれくさい気持ちだったり、両親から『偉いね』と褒められた時の嬉しさだったりするのだそうです。
そして、空っぽになってしまった記憶の引き出しには、失敗したり叱られたりした時の記憶だけが、どんどん どんどん入り込まれる。

 

 

もし何かで失敗したら、同じような出来事があった時の引き出しが一斉に開いて、それはいつ、どこで、だれに、どのようにして叱られたのかが、レポートのように蘇ってくるというのです。
だから本人は失敗が怖いし、生きていくのが怖い。だって、何をやっても楽しい記憶が作れないのだから。

 

 

以前テレビで、忘れる事ができない脳を持っている人の事を見た事を思い出しました。
忘れたくても、すべてが記憶に残ってしまうという事は、本人にとってはとても苦しい事なのだとわかりました。
楽しかった記憶だけが消えていく脳なんて、いくらなんでも残酷でしょや。
人間は、未来に希望があるから生きていけるっちゅうもんじゃなかったの?
神様は、記憶の振り分けをそこまでやるか!
彼はこれから、嬉しい事を忘れないような訓練を、繰り返し行っていくのだそうです。
サンタクロースの袋の中に、『嬉しい記憶』というプレゼントがどうか残っていますように。

 

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<< 褒められる方程式 >>

「ぽぷらさんの このあいだの写真、いい写真よね~」
えー!嬉しい!理恵子さんが誉めてくれました。
「ほら、学校で撮ったっていう写真あったでしょ。私はあれが好きだなあ」
うひょー!またまた嬉しい。思わずオルゴール人形みたいに1回転してしまいました。
『誉められて、嬉しいなー』
「そうそう、だんだん年をとってくると、失敗する事も多くなるから、なおさら誉められると嬉しいもんよね」

 

そうだったのか!それなら思いっきし思いあたる。
中年になってからというもの、物忘れはすごいし、気づかないうちに間違いはしてるし、新しいものには脳みそが拒否反応を起こしてしまう。
だから私は誉められると、チョー嬉しくなっちゃうのか。頭の中で、方程式が解けたような気がしました。

 

もし、誉められる事がないままにお婆さんになってしまったら、押し売りの誉め言葉に有頂天になちゃって、うさんくさい健康器具やら羽布団やらを買ってしまうかもしれない。こりゃ今から誉めやっこをしなくっちゃ。

 

旦那さんが昼間、事務所のあっちの部屋で片付け物をしているので、覗いてみると、足の踏み場もありません。
『お父さん、片付け頑張っているねー』
「片付けてるつもりなんだけどなあ。なんだか わや(どうしようにもなく)になったべや」
そ、そうだね・・・・