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婆ちゃんが「餅食いてえな」と言いました。
もしノドに詰まらせたりしたら大変なんだけど、病院のホールで、ちょっとだけ豆大福をちぎってあげました。
「ウウ!!」なんて事になっては一大事だもね、さすがにちょっと緊張しました。
『よく噛んでね』
婆ちゃんは、入れ歯を入れてない口でモグモグしながら「うんめえうんめえ」と、ヤギさんみたいです。
そのうち、お餅はお腹の中におさまったらしく、口の中に黒豆が一粒残りました。
『噛めなかったら出そうか?』ティッシュを出そうとしたら
「んん、いやいや、」モグモグモグ・・・
黒豆は、婆ちゃんの歯ぐきに押しつぶされまいと、口の中を右往左往しながら逃げ惑っているようでした。
そのうち、ポン!と口から飛びでました。
ありゃりゃ!
婆ちゃんの足元、椅子の下、つま先の前方も見たけれど、黒豆は見つからない。
どこ行ったんだべ・・・・
と思ったら、婆ちゃんが口に入れてる。
黒豆は逃げたまではいかったけれど、偶然にも、飛んだ先が婆ちゃんの手のひらだったのです。
そろそろ病室に戻ろうか。
歩行器につかまって廊下を歩いていると、またまたポン!と口から黒豆が飛び出して、婆ちゃんの前に落ちました。
と思ったらいきなり、婆ちゃんは足でバン!と踏みつけました。
なのに下ろした足は豆の右にかすっただけで、風圧でちょっとだけ転がっただけでした。
またバン!と踏みつければ、今度は豆の左をかすってまたコロン。
もひとつバン!これでもかバン!
歩行器につかまった婆ちゃんは ”モグラたたき” みたいに足をバンバン4回もふんずけたのに、豆はギリギリで転がっています。
す、すごい豆!!
婆ちゃんは、とうとう諦めて歩行器を押して行きました。
こんなに運のいい黒豆を見たのは初めてだわ。
廊下にコロンと残った運のいい黒豆だけど、最後は、私につままれて、ポイ!っとゴミ箱に投げられて(捨てられて)しまいましたとさ。
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