北海道・札幌発・だべさ通信5

JR路線バスは桜の声の運転手

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昼間のJRバスには、お客さんが数人乗っているだけでした。
運転手さんのすぐ後ろの席に座っちゃおう。
「発車します」
あら、女の人の声。
細い手首に小さな白手が、肩幅もありそなハンドルを握っていました。

 

 

カッコいいなあ。
”次は〜ていねほんちょ〜手稲本町でございます♪”
車内アナウンスは機械がしゃべっているけれど、バス停に着くと女性運転手さんが案内します。
「手稲本町でございます」
降りるお客さんへは
「ハイ有り難うございます」と声をかけています。

 

 

昭和40年代、まだ国鉄バスと言われていた頃に、バスには運転手さんの他に、女性の車掌さんも乗っていました。
車掌さんが、「次は、とみおか、富丘でございます、お降りの方はいらっしゃいませんか?」
と案内をして、降りるお客さんがいると
「次ねがいます」と言って合図のブザーを1回、ビー!っと鳴らして運転手さんに知らせるのでした。
なんだか懐かしい空気。車内は優しい女性の声で桜が咲き始めたみたいです。
しかも、雪壁で混雑している国道も、スイスイとバスをあやつっちゃう。

 

 

しばらくすると、突然 右方向から軽自動車が割り込んできました。
わわ、あっぶな〜い。
プオ〜〜〜ン♪
クラクションと同時に柔らかい急ブレーキ!
さ、さすが・・・・・
彼女は大きなハンドルをグルグル回し、何事もなかったかのように、バス停に滑り込みました。

 

 

私の降りる所はもうすぐかな。このへんは何処だろう。
”次は〜西町7丁目、西町7丁目でございます♪”
外の景色を必死で確認。たぶんここだわ。
壁のボタンを押してピンポ〜ン。
確かこのバス停、昔は『手稲東』という名前だったはず。
キョロキョロ・・よかったここだ、乗り越すとこだったわ。

 

 

今ではバスから車掌さんは消えちゃって、バス停の名前も、めんこかった私の姿も変わっちゃったけど、運転手さんが女性なんてカッコいいから、月日のたつのも、それはそれで、いいんでないかい。
「西町7丁目です、ハイ有り難うございます」

 

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