北海道・札幌発・だべさ通信5

あの世では、カッコいい姿で

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義兄の納骨を終えました。
大事な仕事を終えた帰りの車中は、みんな和やかです。
「次に入るのは私だけれど、それまで待っててくれるべさ」と姉が言いました。
「でもさ、兄さんは63歳だったけど、もし姉さんが歳をとって100歳のお婆さんになってあの世に行ったら『あんた誰?』って聞かれるかもよ」
「あら、そうかしら?だってあの人は、あの世に行っても夫婦になろうね、って言ってたんだよ」

 

 

人は死んだら、その時の年齢で、あの世で暮らしているのかな。
もしそうならば、あの世は老人が多いだろうから、若くてあの世に行った人はモテモテだね。
それとも誰かが言ってたように、本人が一番好きだった年齢の姿で暮らしているのでしょうか。
それなら、みんな若くて楽しいね。

 

 

たまに夢に出て来る父が、私が子供だった時の若々しい父だったり、ただ黙ってイスに腰掛けているだけの年老いた父だったりするように、もしかしたら故人は自分の姿を決めていないのかもしれません。
相手が見たいと思うその姿に、自分を変えているのかも。

 

 

帰り道の車中では、あっという間に日が落ちて、その手前にある手稲の山々の稜線が浮かび上がりました。
さっきまでこの手に抱えていた義兄の重さが、不思議とこの世に産まれたばかりの赤ん坊を抱いた時の、あの重さとだぶりました。
もしかしたら、人は死ぬと、そこから新しく人生が始まるのかもしれない。
そうだとしたら、義兄はきっと今頃、自分の一番カッコいい姿で、あのピカピカ新居のご近所回りをしてるに違いない・・・べさ。

 

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