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あら、あそこに落ちているものはもしかして100円玉?
アスファルトにへばりついたガタガタ氷を避けながら、ただただ歩道の先を注意しながら歩く先に、まさしくそれと思わせるものが光っています。
もし、100円玉だったら拾おうかな。
でも待てよ、ゲームのコインかもしれない・・いややっぱし100円玉?
そうしている間にも、そのブツはだんだんと迫ってきます。
数メートル先から、こちらに向かって歩いてくるおじさんが目に入りました。
うわあ、タイミング悪いな~これじゃあ100円拾えないじゃないの。
もしここで拾ったらさ、落ちていたのを拾った事が見え見えだもね。
気になるな・・あと、数歩先・・・・ん?・・・・
あら、なーんだゲームのコインだったわ。
べ、べつにね、ただ、チラリと見えただけですよ。何かな~と思ってさ。
コインを踏まない程度に通り過ぎました。そして、数歩歩いた所で、おじさんとすれ違いました。
こんな目立つ所に落ちているんだもの、ここを通る人はみんな”おお!100円玉?!って見らさっちゃうに決まってるよ。
このおじさんも、きっと今、この瞬間、同じ気持ちになってるよ。なってないかな・・いや、きっとなってるな。
”お、100円玉?・・な、な~んだ”ってね。
そういう時って、目だけは下を見ているのかな。表情も、うそっぽくどこかすましているのかな。
ここを通ってコインに気づいた人は、みんな一瞬、ホントは嬉しい動揺を隠す表情をするのかもしれません。
そのうち、素直な子供達が見つけてさ、”な~んだ、100円じゃなかった~”なんて、ポイ!ってどこかに消されちゃうまで、このコインは素直になれない大人達を、何人もドッキリさせているのかな。