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干そうと思った洗濯物の靴下が手元からスルリと落ちました。
ヨイショっと拾い上げたそのかっこうに、先日友人が言ってたことを思い出しました。
「最近ね、物を拾う時の動作が自分でも年取っちゃったのかしらって思う時があるの。しゃがまっずに、ちょっと足を広げてガニ股っぽく腰を折って”よいしょ”なんて拾うわけ」
今まさしく、私はそのかっこうで洗濯物を拾いました。
若い時だと、ヒザを折って腰を下ろし、屈伸運動のようにスっと立ち上がる事ができたのに、それが知らず知らずのうちに、がガニ股のお尻つきだしポーズで拾っているんです。
ドラマの中では、男女の肩どうしがぶつかって、彼女の持ってた書類が落ちて、
彼・・・”あ、すまない・・”
彼女・・”いえ、いいんです”
彼女はヒザを折ってしゃがむと、横向きポーズで書類を拾う。
その、腰から足元にかけての美しいライン、細い足首とハイヒール。
女性らしいそのしぐさに、彼は途端に一目惚れ・・・・
ところが今の私ときたらどうでしょう。
まずはちょっと足を広げて安定感の確保。
それからガニ股で腰を折って拾うほうが、ヒザに力を入れて立ち上がるよりは楽なのです。
ましてや、いちいちヒザを折ってあちこちに散らばった書類を拾おうもんなら、次の日は筋肉痛になっちゃうかもしれない。
気付かぬうちに、容姿ばかりか動作までもが、年相応になってきているのでしょうか。
また洗濯物が落ちました。今度は足を揃えて、腰をおろして屈伸運動のようにつまんでみましょ。
ほら、やってみればすんなりできちゃう。まだまだ女らしさは捨てたもんじゃないですぞ。
でも、本当はちょびっと反則しちゃったさ。
ヒザに両手をあてて、支えににて立ち上がったも。
”ヨイショ”も小さな声で言っちゃった。
