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朝、私の前を歩いているのは、手を繋いだカップルです。
彼女はフレアいっぱいのギリギリスカートにスラリとした細い足。
ヒールが前に出るたびに、スカートがぼんぼりのように揺れています。
彼氏はラフな白黒ジャケットに、ズボンを下げて歩いています。ペンギンみたいです。
彼氏のズボンは、どうやったらあんなに下げて履く事ができるんだろう。腰に引っ掛けているだけなの?それともベルトでぎゅっと締めているのかな。どーしてもジ~っと見らさっちゃいます(見てしまいます)。
誰かにズボンをチョイと引っ張られたら、ありゃ絶対落ちるな。
後ろから観察されているとも知らずに、2人は幸せそうです。
彼氏は手に持っていた大きなお財布を、お尻のポケットに入れようとグイグイと押し込み始めました。
やめた方がいいんでないかい。
パンパンに太った財布を容赦なくポケットにグイグイ・・・ああ・・やめなって・・ズボン落ちる・・・・って・・入ったわ・・ホッ
なんだかしらないけれど、朝からハラハラしちゃったわ。
2人はエスカレーターにひょいと乗りました。
彼女が「後ろから人来るよ」と合図を送ると、彼氏は「あ、そうか」というように、今まで繋いでいた手をサっとほどいて、彼女の後ろに立ちました。
すぐ後ろを歩いていたせいか、気づかれてしまった私立探偵おばさんは、いきなり前を開けて頂いたもんで、この状態の流れとして、いかにも急いでいるかのように、2人の横を足早に追い抜き、エスカレーターを駆け上がりました。
ヘンな私。息がきれたわ、あ~こわい(しんどい)。