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雪解けあと、5月の林を紫に彩ったのはカタクリの花でした。
今では花の影も形のないけれど、その変わり、種の入った大きな実を付けていました。
植物って、種を運ぶ為に色々な方法を考えますよね。
例えばタンポポやポプラのように、風の力を利用して種をてフワフワ飛ばして遠くに運ぶ植物や、美味しい果物を作って鳥たちに食べてもらって種を遠くに運ぶ方法を考えた植物もいます。
カタクリも考えたんだべね、高い木々で覆われているカタクリは、風が吹いても空高くは飛んでいけないし、かと言って、鳥たちのお腹を満たすくらいの果実は作れない。
したら、どうすりゃいいのさ!!
私ならもうここでガクっときちゃうわ。
でもカタクリはさすがだね、” アリなら運んでくれるんでないかい?! ” と気付いたんだね。
そこで、アリが大好きな『エライオゾーム』という物質を自ら作り出し、それを種に付けてアリに食べさせてあげるかわりに、遠くに運んでもらう事にしたというのです。
アリはセッセとカタクリの種を運んで、美味しい『エライオゾーム』を食べたあとは、種をポイ!っと捨ててしまうそうです。
カタクリはこうして子孫を増やしていく事に成功しました。
論より証拠、アリたちが種に集まっていました。
世の中、自分の利益だけを考えていたので生きていけませんね。
双方が、お互いの役に立ってこそ、世の中は動いているんですもね。
カタクリはこれでまた、来年少し離れたどこかに、新しいカタクリの芽が顔を出すことができるのでしょう。
日だまり公園にカタクリの群生が見られるのは、笹を刈るなどの保護する人の力と、種を運ぶアリたちの共同作業だったのですね。