北海道・札幌発・だべさ通信5

グスベリは北海道で生まれて消えてゆく言葉

公園で、お爺ちゃんと孫さんとおぼしき二人が遊んでる。
じゃんけんぽんして、勝ったら階段を登るってやつだね。
お爺ちゃんは、階段を登るの、しんどいかもね。
なんて言ってるのか聞きたいわあ。

 

 

何年も前の事なんだけど、ある日、この遊びをしている子供たちの声が聞こえてきた事がありました。
”じゃんけんポン!” ”勝った〜! パイナツプル!”
お、階段で遊んでるんだね。

 

”チヨコレイト!”
今度はチョキで勝ったのか。

 

”グリコ!”
な、なぬ!!グリコだと??
グーで勝ったら『グスベリ』でしょや。

 

でも、耳をすまして聞いてみると、やっぱしみんな ”グリコ”って言ってる。
私がこのじゃんけん遊びをしていた頃は、みんな『グスベリ』って言ってたんです。
旦那さんに聞いてみても、やっぱし『グスベリだべ』って言います。
ためしに次の日、何人かの大人に聞いてみる事にしました。
すると!!

 

熟年札幌手稲区チームは、ほぼ、グーは普通に ”『グスベリ』でしょ〜〜 ” という結果に。
そうだよねそうだよね。
小学生の仲良し女の子みたいに、同じ答えにホっとしたのです。

 

ところが、それを聞いた共和町出身の昭夫さんは
「そんな事あり得ません、『グリコ』です!」って言うわけ。
そ、そんな・・・・・

 

『グスベリ』チームVS『グリコ』チーム。
こうなったら、東京出身の愛子さんに聞いてみようという事になりました。
愛子さんの所はなんて言ってたの?
「私の所はね」
ん、ん、
「グリコ・・・のオマケ」
一同 ハラホロヒレハレ・・・(すんごく古いギャグである)
まるで漫才のオチみたいでしょや。

 
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でも、あれから何となくわかった事がありました。
グーを『グスベリ』と言うのは、北海道の所々であるらしいのです。
網走や小樽出身の人も、『グスベリ』と言っていました。
『グスベリ』の本当の名前は ”グースベリー (スグリ) ” 。
その言葉が北海道でなまって『グスベリ』になったようです。

 

 

私が子供の頃ですから、恐ろしや半世紀も前の事になりますが、家にもグスベリの木がありました。
木と言っても、ブルーベリーと同じような低木です。トゲトゲがあるけどね。
始めは、白い縦シマの透き通った緑色、それから熟すとワイン色。

 

 

結果、『グーをグスベリ』という人は、『 熟年以上の、北海道育ち、の、ところどころ』

階段で遊んでいるお爺ちゃんは、なんて言っているんだろう。
そっと、近づいて、聞いてみるんだった。

 


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