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なんだかすごい人だかり。札幌駅から2つめの交差点に、大勢の人が集まっています。どなたかの演説かな・・・と思ったら違う。みんな、ただの信号待ちです。
ちかごろの歩行者用信号には、待ち時間がわかるメモリが縦に付いているから、心の準備もできるよね。私が渡る信号機の待ち時間メモリもだんだん下がっていきました。あと一つ、さあ一歩・・・と思ったら違う。まだ赤よ。自動車用の信号だけが青に変わりました。
あ、あ~そっか、スクランブル交差点ね。てっきり青になるとばっかし思い込んで歩き出すところだったわ。危ない危ない。
という事は、次のタイミングでスクランブルだね・・・それ歩こ・・と踏み出そうとしたらまだ赤です。あれ、あっちは自動車も歩行者用も青だわね。スクランブルじゃなかったの?
こっちの青はどしたのさ。
そう言えば、あの『信号待ちメモリ』、今も”あと一つ”状態です。
みんなの足もなんだかモジモジしちゃってる。
「故障?」「故障なの?」そんな声が聞こえてきました。
そうか、故障なのかも。
という事は、自動車用信号が青ならば、こちらの歩行者用信号が赤のままでも本当は青なのだ。
さあ青だよ、車は走り出しました。なのにやっぱし歩行者用の信号は、メモリ一つの赤のままです。どうしよう。体が行くなと言ってるわ。
その時、若者数人が渡り出しました。それを見ていた人達も渡り始めました。
ど、どうしよう。侵入してくる車は、人は渡らないと思って勘違いしてくるかもよ。
渡るべきか。それとも壊れた信号機を守るべきか。
渡る人、迷う人、まるで○×ゲームしてるみたいにまっぷたつ。こんな所で性格でちゃうなんてね。
はあ~、私は赤信号で渡る勇気がないので遠回りをする事にしました。
少し歩き始めたところで振り向くと、なんと青になってみんな渡っていたんですから。あらま、なんて意地悪な信号機だべ。
小走りで走って戻りました。ちょっと待ってよ、まだ赤にならないでよ~。体、重たいんだからさ。