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心臓のペースメーカーの電池交換をする事になった婆ちゃんは、不安もあって何度も同じ事を言いました。
『痛いんだべか・・どうせもう先が短いんだから電池入れなくてもいいって言うかな』
ペースメーカーは、心臓に規則正しい脈を打たせるために、補助的に電気を流して鼓動を助ける装置です。
婆ちゃんの胸の皮膚の下に入っているのは目薬くらいの大きさで、外から見ると、そこだけ盛り上がっています。
患者さんによってペースメーカーの電池の寿命には差があるようですが、婆ちゃんの場合は、入れてから8年がたっていました。
電池の交換は局所麻酔で、胸の皮膚を切って電池を入れ替える方法です。
さて、そんな不安がってた婆ちゃんでしたが、電池交換も無事終了。
「痛かったか?」と聞いてみると
婆ちゃんは『痛かったよ〜』と答えました。
わわ、そうなのか・・・麻酔はするだろけど、皮膚を切っちゃうんだもね。
『チクッってしてさあ』
チク???って麻酔の注射?
『麻酔だかなんだか知らねえけど,注射が痛いのよ』
「あとはどうなの?」
『なんも痛くないよ。それより、は〜ら減ったって。昼過ぎてるべや』
見れば時計は1時を過ぎています。
”あきよさ〜〜〜〜ん、お昼お持ちしました”
ベッドにお昼ご飯がやってきました。
婆ちゃんはご飯のフタを開けるなり
「こったらべっちょ(こんな少し)で、どーすんのよ」
と言いながら箸を持って、
「おら、朝メシもろくたら食ってねえし・・モグモグ・・なんだコレ、ナッパじゃねえかモグモグ・・・◯×△?□・・・」
復活??電池を交換すると、食欲も増すのかな。
新しい電池が、ちゃんと動いているかの検査もしました。
先生が
「あきよさん、新しい電池、ちゃんと動いていますよ」と言うと、
婆ちゃんが「せんせ、あと何年生きるんだべね〜」と言いました。
先生はニヤっとしてから、
「あと13年は大丈夫です!」と言いました。
「ほ〜〜〜・・・・」婆ちゃんは、目をパチクリ。
私もついつい目をパチクリ。
あと13年・・・・・・その時私は70歳になる。
こりゃウカウカしちゃあいられない。できるもんなら私も電池交換してもらいたいくらいだわ。
時代は日進月歩。
ペースメーカーの電池の寿命も伸びているんですね。
私はほらね、昨日はこんな形で心の充電をしました。