北海道・札幌発・だべさ通信5

ミノ虫は口のないオスと羽根のないメスで一生を終える

夕方お墓参りに行ってきました。
毎日暑い日が続いているので、お墓の石も、熱もっちゃうんでないべか。
ご先祖様も、せめて夜風にあたって涼みたいと思って、夜にはス〜っと地上に出て来てウチワをあおいでいるかもね。

 

お墓の石にね、なんかひっついています・・・ミノ虫?!
わざわざ黒い石にくっついて、太陽の熱でけっこう熱くなっているんでないかい?
そういえば、ミノ虫は、中には虫が入っているんだよね。
でも、どんな虫?

 

 

 

 

□ ミノ虫の中にいるのは、ミノガ科のガの幼虫である。
そうか、ガの幼虫だったんだね。

 

□ 繊維のようなものであれば、毛糸などでもミノを作る。
なるほどなるほど、材料は自由なんだ。
そういえば、カラフルな折り紙や毛糸などを置いておくと、奇麗なミノを作ってくれるって聞いた事があります。

 

□ オスはふ化しても口がないので蜜を吸うことはなく、メスを求めてひたすら移動し、メスと交尾を済ませると死んでしまう。
お腹がすいても食べものを食べることができないどころか、お腹もすかないのかもね。
そんなことより相手を探さなくっちゃいけないのだから。
□ メスは羽がなく、ミノの中で、ひたすらオスを待ち続け、交尾のあと、ミノの中に1000個以上の卵を産み、ふ化するのを見届けてから殻から落ちて死んでしまう。
メスは一度も外を飛ぶ事もなく、外の世界を知らずに死んじゃうのか!

 

ただ子孫を残すめだけに、それ以外のものを切り捨てて生きるミノムシ。
なんだかちょっと寂しいんでないかい。
そう感じちゃうのは、私が人間だからでしょうね。

 

もし、ミノムシたちに口や羽根や、それから長い寿命や頭の良さを神様からもらったら、彼らの価値観は変わるのだろうかと考えてみる。
姿や形を想像しちゃうとちょっとおっかないけど・・・・
いえいえ、そうではなくて、生きる価値観が変わるかどうかってことね。
一生の時間と生き方は、生き物によってとんでもなく違う。
ミノムシのように1年も満たずに、しかも外の世界も殆ど知らずに死んじゃう生き物もいれば、人間のように80年以上も季節を感じて一生を終える生き物もいる。

 

でも、『生きている時間や環境に関係なく、一生を一生として感じる感覚は同じ』という話を聞いた事があります。
もしそうだとしたら、ミノムシも、人間も、一生を終えるときは同じなのかもしれないよね。

 


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