フェリー ” ゆうかり ” が小樽港を出航するよ。
おじさんたちが手を振ってくれてる!ばいばい。
すると、1羽のカモメがこっちを見てる。
”頼みがあるんだけどいいべか”
なしたの?
”新潟のオレの母親に会ったら伝えてくれや、子どもの頃によ、だはんこいてた (だだをこねてた)あんたの息子は、今じゃあ なまら立派になって小樽で暮らしているってよ”
わ、わかったよ。もし会えたら伝えとっから、したらね。
人に寄って来るカモメもいる。
ピンポンパンポヨ〜〜〜〜〜ン
ご乗船のみなさま〜、まもなくビンゴ大会の開催でございます。
このうえはビンゴで運を試すしかないべさや!
『一等は、世界中で使える3000円分の商品券でございます!ただし当フェリーのレストラン、売店の営業時間内でございます』
よっしゃ〜〜〜〜!
PR
と思ったけど、ビンゴで運を使い果たすのは いたましい(もたいない)ので、とっておく事にした。
ラブコメディの洋画を2本見て
ホテルのようなお風呂に入って
函館の海に浮かぶ大島を眺め
ぶっふぇ・・びゅっへ・・ビュッフェ!
そう!そういうところで、映画のラブコメディーを思い出させるようなビーフシチューと冷や奴を食べ。
すれ違うフェリーに手を振って
ツーリストB寝台下段へと潜り込む。ここは段ボールで作った秘密基地以来のワクワク感がある。zzzzz
今度は、朝一番6時55分発のジェットホイル?・・・なにホイル?
「ジェットフォイルだべや」と旦那さん。
それです!ジェットフォイルに乗っていよいよ佐渡だ!
フェリーゆうかり、どうもね〜
ここで朝食。ところで、この小さな四角いものはなにするもの?
・・・・・
なに、これがあれば頭をぶつけても大丈夫てきなクッションだったのか!・・・ほ、ほう・・・・
しかし!ジェットフォイルは、1分間に約150トンの水を1平方センチメールにつき9kgの高圧力で噴射させ、時速80キロの超高速で海面に浮上させて走る船だったのだ!
噴射した水の力で船を持ち上げ、船が海面に落ちる前にまた次の水を噴射して、落ちるまえにどんどん噴射し続けて進むのか。
足が沈む前に次の足を出して進めば沈まない方式を実現させた乗り物だったのだ。
この船だと佐渡島まで、たったの1時間5分!
佐渡では手イヌもサドッキーと友達になり、手稲においでと伝えた。
金山のおじさん達にも会った。
おじさんたちは
”外に出てーな〜。酒も飲みてーし、なじみの女にも会いてーなあ〜”
とか言いながら、ひたすら金を掘っていたので、手稲に来るのは無理らしい。
たらい舟にも乗った。
このたらい舟の船頭さんは、コスチュームがよく似合ってる。
優しい話し方、おけさ笠の下からチラリと見える鼻から口元にかけてが、なんともつやっぽくて素敵。
きっと、ゆっさゆっさと櫂(かい)を動かすこの後ろ姿、時々振り向くそのつやっぽさに、殿方はハートをぐわしとわしづかみにしちゃうんだろう。
櫂を持って少し こがさしてもらったら ちょびっと進んだので、修行すればなんとかなるかもしれないとおもったけれど、船頭の彼女は、この櫂急1本でブレーキもかければバックもする。まねできないすごいワザだ。
「はいはい〜どうぞ〜 次のお客さん〜〜」とジャイアンのお母さんみたいな豪快な船頭さんもいたけど、ギリギリセーフで、私たちには当たらなかったので、なんだかほっとした。
佐渡からの帰りは、予算上さずがにジェットフォイルは使えず、普通のフェリーで2時間半かけて新潟まで。
それから再び、今度はフェリーしらかばで苫小牧にむけて18時間の船旅。
ビンゴ大会、映画、コンサート。
船に寄ってきたカモメに、小樽のカモメの伝言も伝えておいた。
船旅も悪く無いべさ。
どこかの爺ちゃんが
「この船の名前、『ばからしい』とは何ごとだ!」と言って、マジ怒ってモメていたらしい。
逆に読むとそうなる事を初めて知った。
「お客様、この船は ” ばからしい ” ではございません。” しらかば ” でございます。ほら、ね、 特に最後の ” い ” の文字はございません』と、船員さんは説明していたに違いない。
帰宅後、婆ちゃんは、
「さどって遠いのか〜・・・・そうか。ほう、さどって遠いのか〜・・・・ほ〜」と繰り返して聞いた。
留守中の大事はなかったようで、ほっとする。
婆ちゃんの相手をしてくれていた息子と義姉に感謝。