『北海道昔ばなし』の本の中に登場した、北海道の北見に伝わるお話です。
昔々、天地の神様は、この世をだいたいを作り終えたのですが、なにか物足りないと感じました。
そこで夜の神に何かを作って欲しいと頼みました。
夜の神は、柳の木を折って、細長く丸めた泥の中に通し、その一方にはこべを付けました。
できたものを土の上に置くと死者を蘇らせるというアユギという扇のようなものであおぐと、泥はしだいに乾いてきて人間の肌に。頭、銅ができて、はこべはヒゲになりました。
天地の神は喜んで、『眠たい』『食べたい』など、12の欲を人間に吹き込みました。
こうして人間ができたのです。
ところが、喜んだのもつかのま、人間達はみんな男ばかりだったので、時間とともに人間達は死んでしまいました。
天地の神は、今度は昼の神にも協力してほしいと頼みました。
そこで昼の神は女を作ったのです。
こうして、人間は途絶えることなく、だんだん増えていきました。
男の肌の色が黒っぽいのは夜の神が作ったから、女の肌の色は白いのは昼の神が作ったからだそうです。
人間を上手に作った夜と昼の神は、天に昇って、月と太陽になりましたとさ。
人間の体の芯は柳、ヒゲはハコベでできていたんですね。
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