北海道に残る伝説。6人の女神姉妹の母のお話です。
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昔、人間の世界に、神々(こうごう)しい女の子が生まれました。
娘は両親の愛を受けてすくすくと成長し、それはそれは美しい娘に育ちました。
ところが娘が6歳になった頃、頭にできものができはじめ、だんだんと顔にも広がるようになりました。
両親は色々な手当をしたり、神に祈ったりしましたが治りません。
それどころか、できものはだんだんひどくなる一方で、元の美しい娘とは思えないほどの見にくい姿に変わってしまいました。
時は流れ、娘が17歳になったある日のことでした。
突然、姿が見えなくなってしまったのです。
両親はもちろん、村の人達も必死で探しましたが見つかりません。
人々は、余りの見にくい自分の姿にいたたまれなくなり、村を去っていったのだろうとウワサしました。
ところが、本当はそうではありませんでした。
娘は将来、神の妻になる人間だったのです。
神は、このまま美しい姿で成長すれば、人間界の悪い誘惑があるかもしれないと思い、娘が成長するまで、本当の姿を隠しておいたのでした。
その後、娘は神の妻となり、6人の女の子を生みました。
長女(一番上の娘)は、母親が若い頃に皮膚病にかかっていた事を知っていたので、登別温泉の山の神となり、病気で困っている人を癒す神になりました。
なので、登別温泉のお湯は、とくに皮膚病によく効くと言われています。
次女(二番目の娘)は小樽の祝津(しゅくず)の岬、三女は積丹の神威(カムイ)岬、四女は室蘭の絵鞆(えとも)岬、五女は地球岬、6女は道南にある矢越岬(やごしみさき)の、それぞれの女神になったということです。
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容姿を変えておくなんて、神様も なかなか強引。
それにしても、北海道の西側の岬は女神達によって守られていると思うと、その美しい海の色もうなずけるような気がします。
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