PR
今年も、新一年生の下校の引率です。
学校の玄関前に整列した子供たちに、先生が言いました。
「みなさ〜ん、今日は、おじさん、おばさんたちが付き添ってくれます。グループごとにまとまって帰って下さい」
は〜〜〜い!!
それじゃあ、皆さんさようなら」
「さようなら〜〜〜!!」
私の歩くコースはピンクコースです。
「それじゃあ一緒に歩きま・・・・・お、おいおい!もう行っちゃうのかい」
『さようなら』と同時に、元気のいい子はランドセルを揺らしながら飛んでいっちゃいました。
と思ったら、ピタッと止まってこっちをうかがってる。
あ〜いかった立ち止まったわ。
みんなと一緒に歩いて、その子に追いつきそうと思ったら、またタタタタって走って行っちゃう。
どうかこの引率が無事に終わりますように。
「ねえねえ、運動会もう少しだね」
すると、傍にいた男の子が言いました。
「僕ね、リレーなんだ」「わお〜凄いね〜!」
すると今度は、女の子が言いました。
「私もね、リレーなの」「わお〜、またまた凄いね〜!」
すると、また別な男の子が言いました。
「僕もね、リレーなんだよ、ほけつ」「補欠!でもすごいね〜、足早いんだね」
「こっちのミカちゃんも補欠なの」
そ、そうなの・・・もしかして、選手以外はみんな補欠なのかもな?
まもなく、男のが道路をササッと渡って行きました。
お、おいおい、いきなり渡らないでおくれよ、おばちゃんが左右を見てあげるからさあ。
と思ったら、また別の子が道路をササっと渡りました。
あのね、おばちゃんがね・・・
「おばちゃん!金属って、どうやって溶かすかわかるう?」
「え?さ、さあ何かなあ・・・」
声では相手をしているつもりでも.気持ちは道路を弾丸のごとく飛び出していく子が気になります。
「おばちゃん、答えはなあに?」
「え、あの、うんと・・・薬品かな〜〜?」
「ちがうよ〜〜〜火で溶かすんだよ〜〜」
「あ、ああ、そうか、なるほどね〜〜」
そうしているあいだにも、またひとり、よそのお宅の塀の上にピョンと飛上がって、忍者のように消えて
きました。
おばちゃんの引率は、無意味かもな。
いくら住宅街の道とはいえ、いきなり糸の切れたタコのように飛んで行かれちゃ、追いつきたくても追いつけない。
最後の男の子にてをふって、無事任務は終了です。
あ〜しんど。来年は、こっちが引率してほしいくらいだわ。
面白かったらポチっとね。