北海道・札幌発・だべさ通信5

快速エアポートは、坊やと友達

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”まもなく3番ホームに、新千歳空港行き、快速エアポート100号が到着します・・・”
気温が和らいだ今日は、ホームのアナウンスも、どことなく明るく聞こえます。
「あ、きたあ!」と、すぐそばで坊やの声がします。
いつのまにか、小さな男の子を抱いたお母さんと女の子が隣りにいました。

 

 

お母さんが、「来たね!”おりこうさんだから乗せて下さい”って言ってみようか」と言うと、
坊やは、開いた手のひらを車のワイパーみたいに振って
「乗しぇてくだしゃ〜い、おりこうさんで〜す!」と叫びました。
お姉ちゃんも一緒に
「私もおりこうさんで〜す!!」と、今度はザーザー降りワイパーみたいで、坊やより激しいよ。
そのかいあって、快速エアポートは私の立つ位置をちょびっとずれて、となりの親子の前でピタっとドア位置を決めました。

 

 

車内は立ってる人は少ないみたい。
1席空いていたシートには、親子のお姉ちゃんが座ったようです。
そのヒザにつかまって坊やが立ち、お母さんが立っています。
エアポートはスーっと動き出して、坊やはお姉ちゃんのヒザにしがみつきました。

 

 

すると、そばに座っていたおばさんが、
「ここに座りませんか?」と腰を上げて、お母さんと坊やに話しかけました。
「ありがとうございます。でも大丈夫です。このくらいは立って行けますよ。どうぞ、座っていて下さい。有り難うございます」
お母さんは丁寧に断ってから、”どうぞどうぞ”というしぐさをしています。

 

 

勇気を出したおばさんも、丁寧に断ったお母さんも、なんだかとても感じがいい。
どこまで乗っていくのかな。快速エアポートなら、手稲から札幌までは10分です。
多少の揺れなら大丈夫、坊やはそれが楽しそうです。
”まもなく札幌、札幌です”
「あ、さっぽろだって!」坊やはちょっと興奮してる。
快速エアポート100号は、坊やをもっと楽しませようと、ジョイントを切り替え大きくゆっくりカーブして札幌駅に滑り込みました。

 

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