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北湯沢温泉での小学レディを含む女子親睦会。
夕食が終わってひと風呂浴びると、みんなの顔もほんのり桜色です。
いよいよ幹事の私が、練習の成果の披露する時がやってきました。
『それではみなさん、これから手品を始めたいと思います』
縁側に立つと、みんなパチパチパチ・・・・
レディちゃんは、もちろん一番前で見てくれるお客さんです。
・・・・・・・・・・・・・・
『まず、このコインを板で挟みます』
ん、ん・・・・・・・・
『そして、コインが落ちないように輪ゴムで板を止めちゃいます』
ん、ん・・・・・・
いったい何が起きるのか、彼女の顔がだんだんと真剣になりました。
『この、板で挟んだコインをハンカチに包みます』
ん、ん・・・・・・
いよいよ練習の成果。コインを包むフリをしながらハンカチの中のコインを手の中にすべらさなくてないけません。
ドキドキ・・・
頭の中で、こうやって、あーやって・・・・みんなが見ていると思うだけで、指がこわばっちゃう。
スルリン・・・よ、よし、やったわ。
コインが手の中に落ちました。
ここで音楽。
♩タリラリラリ~ン・・・・・(自分で歌う)
『おまじないをして、さあ、ハンカチを開けてみてください』
ハンカチを広げると、なんとコインが消えてる!
彼女の目はまんまる、口はポカン。
それはそれは、鳩が豆鉄砲を食らったみたいだよ。
これでグワシとハートをわしずかみ。
みんなも驚いてくれて、一安心です。
『これで終わります』
・・・・・・・・・・・・・・
パチパチパチ・・・・
ほほ、ほほほ・・・・
この歳で人前で手品をするなんて考えてもみなかったけど、私が一番楽しませてもらったかもです。
あ~、やれやれ、成功していかった。肩の力が抜けました。
「すご~い!」
『でしょでしょ、おばちゃんもなかなかやるしょ、ほほ、ほほほ・・・・・・』
「も一回やって!」
えっ・・・・
「こ、これはね、2度目はできないんですよ」
今度は私が、鳩が豆鉄砲になったべさ。