北海道・札幌発・だべさ通信5

救急ロビーであったこと

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昨夜は病院の救急外来にいました。
婆ちゃんが、お腹の痛みを訴えていたのですが、夜になってもなかなか治まらず、それどころか増々痛みが強くなってきたからです。
待ち合いロビーには、交通事故にあわれた方の家族とおぼしき人や、毛布にくるんだ赤ちゃんを抱っこして来る人たちなどが、次々にロビーにやってきます。

 

 

その中に、具合の悪そうな若い男性に付き添ってきた母親らしい70代くらいのおばさんがいました。
男性は長イスに座ると横になって、母親(たぶん)はその横で「大丈夫かい」と心配そうに声をかけています。
けれどその時間は、一刻を争う重病人が次々と運ばれてきている様子、なかなか名前を呼ばれません。
だんだんイライラしてきた彼女は、独り言のように「遅い、遅い」と言っては、所かまわず携帯電話をかけ始めました。

 

 

そのうち、受付に行って直談判。
「この子は気分が悪くて戻しちゃっている(嘔吐している)のに、どうして呼ばれないの!!」
私たちを含めて何人もの患者さん達が静かに痛みをこらえている中で、彼女は腕を振り上げて訴えます。
すると、奥から病院の女性スタッフがやってきて言いました。
「皆さん順番なんですよ。でも、重病の方がいらっしゃるので、ちょっと時間がかかっています。○○さんの順番は次ですからもう少しお待ちくださいね」

 

 

でも母親はひるみません。
「なーに言ってんの。ウチは救急車で来たのよ。それなのに、なんなのよここの病院は!」
スタッフさんは、今度はちょっと強い口調で言いました。
「もう少しお待ちください」
母親は独り言のように「まったくこの病院なら・・」と言っては、また携帯電話で話し始め、そのうち、ガードマンさんに即されてどこかに行ってしまいました。

 

 

彼女の気持ちはよくわかるけれど、この場所にやって来る人たちは、全員不安をかかえています。
その事がわかるからこそ、皆さん、じっと我慢をして待っているのです。
婆ちゃんは、 お腹が痛い間はなにも食べていなかったので、ちょっとやつれたけど、大事にはいたらず、ひとまずは安心でした。

 

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